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2018.06.28

セブンとローソン、明暗分かれたネットショップ


(c) 123rf

 27日、ローソンがインターネットで注文した商品を自宅に届ける「ローソン フレッシュ」サービスを、8月に停止することが分かった。このサービスは販売スペースや鮮度管理が難しいなどの理由で、コンビニの店頭に並べられない商品約8千点(28日現在7,662点)をインターネットのサイトに注文すると、自宅に配達してくれるというサービスだったが、年間の利用者が直近では6万人(1日平均200人弱)と低迷を続けた上に、物流コストの上昇にも見舞われたことから、8月末でサービスを停止することになった。

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 ローソンフレッシュのHP上には、コンビニの店頭には並ばない精肉・鮮魚類が合計約400点ほど並んでいるが、未加工の素材状態の肉や魚は全て冷凍である。商品構成も肉類であれば、ハムやソーセージ等の加工食品の数が圧倒的に多くなっていて、販売現場の苦悩が垣間見える。

 冷凍食品と生野菜を同一ケースで発送する訳にもいかないだろうし、在庫管理から、商品の箱詰め、発送と、神経を使う場面が多い割には、1件当たりの購入金額がそれほど多額にはならないと思われるので、相当難しいサービスだったろう。しかも購入金額が一定額以下の場合は消費者が配送費を負担し、一定額以上の場合にはローソンが配送費を被る条件であり、消費者には余計な負担感が残り、ローソンには運送料負担という収支問題が避けられない。リアル店舗で不足しているところを、ネット店舗で補うという発想自体は悪くないが、運送料上昇時代に合わないビジネスモデルだったようだ。

 今後は東京や神奈川の200強の店舗で展開中の「ローソン フレッシュ ピック」に絞り、18年度中には首都圏で10倍の規模に拡大する。このサービスはスマホから生鮮品を注文して、最短の場合には当日夕方に指定店舗で受け取れるというもの。“すぐそば”のローソンで受け取れる利便性はある。指定された店舗の売上に加算されるので、“ついで買い”があれば集客効果も見込めることになる。

 セブンイレブンの「ネットコンビニ」は少し違う。店舗にある商品をスマホから注文すると、自宅に配送されるというシステムだ。17年10月から、北海道の小樽市など25店舗でサービスを開始したが、手ごたえがあったことから19年8月までに北海道の約1,000店舗に拡大、19年9月以降は全国2万店超に広げる。配送が伴うため物流費の負担はあるが、専用の配送システムを構築し、店舗近隣の女性などをドライバーとして採用する。エリア内を巡回する提携配送車が店舗で商品を受け取り、自宅などに配送するシステムだ。1回の注文は1千円以上が条件で、配送料は216円となるが、3千円以上の注文があると配送料は無料と設定され、割安感を訴求している。

 片やほろ苦い撤退で、片や試行結果を確認した上での本格展開だ。結果が全てのビジネスでは、明暗が分かれることは必然である。次の一手を注目したい。(矢牧滋夫)

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