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2018.07.10
ICT産業、18年1月~3月期は8期連続のプラスに
情報通信総合研究所の発表によると、2018年1月~3月期におけるICT経済は、伸び率こそ縮小したものの、8期連続で前年比プラスとなったことが分かった。
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■8期連続で前期比プラス
9日、情報通信専門のシンクタンクとして情報通信分野のコンサルティンスやマーケティングなどを手がける情報通信総合研究所が2018年1月~3月の「InfoCom ICT経済報告」を発表した。これは、ICT(情報通信)産業が日本経済に与える影響を把握することを目的として、関連指標を集計・分析したもので、4半期ごとに公表している。
18年1月~3月期のICT経済(関連財・サービス総合)は前年比0.9%の増加で、16年4月~6月期の0.0%から8期連続でプラスとなった。ただし17年4月~6月期の3.9%から伸び率が3期連続で縮小している。
■供給はICTサービスが14期連続のプラス
内訳をみると、供給サイドのICT財(前年比:+2.3%、以下同じ)は7期連続の増加。半導体・フラットパネル製造装置の増加幅は拡大した一方、電子計算機は減少に転じ、電子部品は減少幅が拡大した。
また、ICTサービス(+0.5%)は14期連続の増加。サイト運営やコンテンツ配信サービスが牽引して移動電気通信業の増加幅が拡大し、インターネット付随サービス業も引き続きプラス成長を維持する一方、受注ソフトウェアの減少幅は拡大した。
■需要は消費の好調が続く
需要サイドでは、消費(+2.4%)が9期連続の増加。ただ、移動電話通信料の増加幅は大きく縮小しており、移動電話機、インターネット接続料の増加幅も縮小。携帯電話事業者(MNO)がMVNOへの流出抑止のため、低料金プランを開始したことが影響したとみられる。
機械受注では、民需(+2.0%)が4期連続の増加。電子計算機等が増加幅を縮小した一方、通信機(除携帯電話)は減少から増加に転じた。輸出(+2.5%)は6期連続の増加、輸入(+4.5%)が5期連続の増加だった。
一方、機械受注の官公需(-1.1%)は4期連続の減少。ただし減少幅は17年7月~9月期の-11.8%、10月~12月の-2.9%、今回の-1.1%と縮小する傾向にある。
■人手不足の影響に注目
今後の見通しなどから、注目点をピックアップしてみる。供給サイドでは、集積回路の在庫増は、前向きの『積み増し』か生産調整につながる『積み上がり』か留意が必要としており、半導体製造装置は、データセンター需要の拡大から好調を維持する見込みだ。ICTサービスは、クラウドサービスやセキュリティの強化、災害や内部統制といったリスク対策としての利活用が進展することが期待され、堅調に推移する見込みだ。
需要サイドでは、これまでICT経済を牽引してきたスマートフォンに変わる新たな牽引役の成長がポイントとになりそうだ。また、働き方改革や人手不足への対応、生産性向上など企業が抱える課題の解決に向けて、IoTやAIなどICTの利活用による投資増が見込まれる反面、人手不足は、情報サービス産業でも顕在化しており、ICT関連の設備投資をするうえで供給制約となる可能性も指摘している。(県田勢)