電通グループ3社は3月28日、2017年の「インターネット広告媒体費」に関する詳細分析を発表した。17年の総広告費は6兆3,907億円。このうち「インターネット広告媒体費」は、1兆2,206億円（前年比117.6%）と順調に拡大を続けているという。同3社はこれまで「日本の広告費」では分析されてこなかったインターネット広告媒体費の広告種別、取引手法別、デバイス別の内訳を調査している。

■広告種別 構成比

　17年のインターネット広告媒体費は1兆2,206億円。構成比が高いのはディスプレイ広告（40.9%）、リスティング広告（39.6%）で、合わせると約80%を占めるという。ビデオ（動画）広告は1,155億円で全体の9.5%、次いで成果報酬型広告（8.6%）、その他のインターネット広告（1.5%）と続いているとしている。

　「ディスプレイ広告」とはサイトやアプリ上の広告枠に表示する画像やテキスト、「リスティング広告」は検索キーワードやコンテンツに連動して表示する画像やテキストを指す。「ビデオ（動画）広告」は動画ファイル形式（映像・音声）の広告である。

■取引手法別 構成比

　インターネット広告媒体費を取引手法別にみると、運用型広告9,400億円（インターネット広告媒体費の77.0%）、予約型広告（同14.4%）、成果報酬型広告（同8.6%）としている。

　さらに取引手法別×広告種別で分解すると、運用型のリスティング広告の構成比が39.6%と最も規模が大きく、次いで運用型のディスプレイ広告が29.4%と続いているという。

■デバイス別 構成比

　インターネット広告媒体費をデバイス別でみると、モバイル広告が8,317億円（68.1%）、デスクトップ広告が3,890億円（31.9%）となった。デバイス別×広告種別では、モバイルのディスプレイ広告が最も規模が大きく28.9%、次いでモバイルのリスティング広告が25.8%としている。

■全体額推移（予測）

　18年のインターネット広告媒体費は前年比117.9%と、総額で1兆4,397億円まで拡大すると予測。デバイス別ではモバイル広告が前年比125.3%と1兆円を超え、デスクトップ広告は前年を上回る102.3%になると予測している。

■ビデオ（動画）広告市場推移（予測）

　17年のビデオ（動画）広告費は1,155億円、うち77.1%はモバイル広告が占めるという。18年にはモバイル広告の大幅な伸長（前年比148.8%）に加え、デスクトップ広告の着実な伸長（同108.2%）が期待されることから、ビデオ（動画）広告費は1,612億円まで拡大（同139.5%）すると予測している。