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2021.09.28
【スタートアップイベント】TC DISRUPT 2021 – 10の感想
毎年サンフランシスコで開催されている恒例のスタートアップイベントであるTechCrunch DISRUPTが開催された。
このイベントは2011年からスタートし今年で10周年。その名前の通り、主催は大手テックメディアのTechCrunchによるもの。これまでにも数多くの著名人やスタートアップ起業家が出演している大規模イベントだ。最新のスタートアップトレンドを理解するのには最適な機会となる。
去年と今年はオンラインで開催
通年であれば、巨大な会場を借り、メインステージ、サブステージ、出典エリア、スタートアップピッチバトルエリアなど、大々的に行われる。しかし、今年と去年はコロナの影響もあり、完全オンラインイベントとなった。でもこれは逆にどこからでも誰でも視聴することができるし、メリットも少なくはない。開催期間は9月21-23日の三日間。
内容は大物スピーカーとのトークセッションが行われるメインステージ、カジュアルなトピックが多いExtra Crunch、世界のスタートアップたちがしのぎを削るStartup Battle Field, オンラインで参加者と繋がれるCruch Match、バーチャル出典スペースのExpo。
2021年のイベントに参加しての10の感想
今年のイベントはかなり印象に残った。通常オンラインイベントの場合は、感覚的に得られる情報量が圧倒的に少ないため、リアルと比べて記憶に残りにくい。
でも、今年のTC DISRUPTはそんなハンデを覆すほどに素晴らしい内容だった。印象に残った10つのポイントを紹介する。
1. 世界中あらゆる場所から参加・出演
これはオンラインイベントならではのメリットであるが、ゲストスピーカーやピッチに登壇するスタートアップが、サンフランシスコ・シリコンバレーエリアだけではなく、むしろ他の地域からの参加だった。スピーカーセッションでは、オーストラリア在住のCanvaのCEOであるMelanie Perkinsなど、アメリカ国外在住の著名人の出演も実現した。
また、ピッチバトルに参加したスタートアップのほとんどがシリコンバレーエリアではないし、予選を通過した20社のうち過半数の11社が非アメリカ企業で、シリコンバレーのスタートアップは実に1社だった。
応募総数990の中からStartup Battlefieldの出演にスタートアップは下記の通り:
- Enlightapp: 学校の先生向けプラットフォーム, ミネソタ州・アメリカ
- Luos: IoTデバイス向けソフトウェア, ボルドー・フランス
- HerVest: 女性向けレンディングサービス, ラゴス・ケニア
- Tatum: ブロックチェーン生成プラットフォーム, ツーク・スイス
- Happaning: ARビデオテクノロジー, ロンドン・イギリス
- Verdi: イリゲーション管理用デバイス&ソフトウェア, バンクーバー・カナダ
- EyeGage: 目の状態から薬物の濫用を感知するシステム, アトランタ・アメリカ
- Animal Alternative Technologies: 培養肉を生成するテクノロジー, ケンブリッジ・イギリス
- RoboDeck: 自動デッキ清掃用ロボット, クファル・シルキン・イスラエル
- Adventr: インタラクティブ動画プラットフォーム, ニューヨーク・アメリカ
- Prenome: 女性向けヘルスケアテクノロジー, シリコンバレー・アメリカ
- Tide Foundation: サイバーセキュリティーテクノロジー, ニューサウスウェールズ・イギリス
- The Blue Box Biomedical Solutions: 乳がん検査用デバイス, アーバイン・アメリカ
- Koa: 発展途上国向けフィンテックソリューション, ナイロビ・ナイジェリア
- Cellino: 医療用細胞培養テクノロジー, ボストン・アメリカ
- StethoMe: 幼児向け喘息感知デバイス, ポズナン・ポーランド
- FLITE Material Sciences: 車両・船舶・機体・重機向けコーティングテクノロジー, ケベック・カナダ
- Knight by Keep Technologies: 自動車向けセキュリティーデバイス, アトランタ・アメリカ
- Carbix: 環境に優しい建設用マテリアル, マサチューセッツ・アメリカ
- Nth Cycle: EVバッテリー向けサステイナブル金属, マサチューセッツ・アメリカ