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2018.10.24

古物営業法の規制緩和に合わせ買い取りイベント 中古品販売大手のコメ兵


コメダ珈琲店での買い取りイベントのイメージ(イラスト:コメ兵の発表資料より)

 中古品販売大手のコメ兵(名古屋市中区)は、古物営業法の改正によって移動店舗での買い取りが可能になったのを受け、27日から名古屋市瑞穂区のコメダ珈琲店本店で期間限定の買い取りイベントを行う。名古屋市の高級住宅街に立地しているコメダ珈琲本店でイベントを開催することで、高額なブランド品を所有する中高年層に買い取りサービスをPRするのが狙い。

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 買い取りイベントを行うのは27日から11月11日までの2週間。本店駐車スペースに自動車を改装した仮設の買い取り店舗を出店。コメ兵の鑑定士が宝石や貴金属、時計、バッグなどを鑑定する。査定のため商品を持ち込んだ客には、コメダ珈琲店本店でコーヒーなどのドリンクを1杯飲める「特別招待券」を1枚渡すほか、買い取り額に応じてコメダ珈琲のプリペイドカードをプレゼントする。

 これまで中古品の買い取りは、法律で都道府県ごとに許可を受けた自社店舗か客の自宅に限られていた。しかし、最近はインターネットを通じた個人間での売買が盛んになり、買い取り業者などの間で「百貨店のイベント会場などでも買い取りができるようにしてほしい」との要望が高まってきたことから、政府は有識者会議を設けて古物営業のあり方について議論。その結果、古物営業法が一部改正され、事前に出店先の地元の警察署に日時・場所を届ければ、仮設店舗での場買い取りが認められるようになった。

 コメ兵は、今回の法改正をビジネスチャンスととらえており、「店舗まで商品を持っていくのが面倒」「個人間で高額品を売買するのは不安」と考えている顧客に対し、通勤や買い物のついでに買い取り査定を受けられる場所を提供すれば、中古市場拡大のきっかけになると期待している。このため今後、催事場やマンションなどのフリースペース、公共施設などのイベント会場での仮設店舗の出店を増やしていく。

 ブランド品などの中古品売買は、かつては専門業者が客から買い取ったものを販売するのが主流だった。しかし、最近は若い世代を中心にネットオークションやフリーマーケットアプリを通じた個人売買が盛んになり、コメ兵などの専門業者は顧客層の拡大と取り込みが課題となっている。

 
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