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2025.07.28

6月の百貨店売上はインバウンド減少で前年下回る SCは猛暑で好調続く

 日本百貨店協会と日本ショッピングセンター協会が6月の売上高を発表。百貨店では円高傾向が続いたことで高額商品が不振となり前年割れとなった一方、ショッピングセンターでは猛暑により夏物商材や夏向けの飲食が伸び、好調な売上が続いていることが分かった。

 

 

 25日、日本百貨店協会が6月度の全国百貨店売上高概況を発表した。売上高は前年同月比(店舗数調整後)7.8%減の4,615億2,047万4,000円となり、5カ月連続で前年同月を下回った。

 円高傾向が続いていることで、インバウンドの売上が減少。高額商品も前年度の価格改定前の駆け込み需要や、免税売上伸長の反動により大幅減少した。ただし、後半に気温が上がったことでサングラス、UVケア商品などの夏物商材は好調に推移。夏物衣料も、クリアランスセールが好調だった。

 

■大都市、地区は全て前年下回る

 

 大都市、都市以外の地区は全て前年同月を下回った。都市の中では東京(前年同月比:10.6%減、以下同じ)、広島(11.3%減)、福岡(18.1%減)で2桁割合のマイナス。一方で札幌(1.1%減)、横浜(2.6%減)でマイナス幅が小さめだった。

 都市以外の地区の中では、関東(5.9%減)、四国(7.6%減)、九州(5.0%減)でマイナス幅が大きめ。中部(1.6%減)でマイナス幅が小さめだった。

 

 商品別売上高もほとんどが前年同月を下回った。その中でも、紳士服・洋品(10.1%減)、婦人服・洋品(8.9%減)、子供服・洋品(9.4%減)、身の回り品(20.5%減)、美術・宝飾・貴金属(12.9%減)などでマイナス幅が大きめ。前年同月を上回った分野は、その他雑貨(1.4%増)、家電(31.8%増)、菓子(0.5%増)など。

 

■ショッピングセンターは40カ月連続で前年上回る

 

 同日、日本ショッピングセンター協会が6月度SC販売統査報告を発表した。売上高は前年同月比1.8%増の6,524億5,341万8,000円となり、40カ月連続で前年同月を上回った。

 全国的に好天が続いたことで、「ファッション」「雑貨、その他物販」では衣料を始めとした夏物商材が好調。「飲食」では夏向けの冷たいメニューや限定メニュー、アイスドリンクが売上増につながった。近畿では大阪万博の影響で来館客や売上増につながっているSCがあった。

 

■キーテナントは2カ月ぶりに前年上回る

 

 売上のうち、テナントは同2.1%増の4,955億2,438万1,000円で、全体同様に40カ月連続で前年同月を上回った。キーテナントは同0.6%増の1,569億2,903万7,000円となり、2カ月ぶりに前年同月を上回った。

 大都市は14都市中9都市で前年同月を上回った。その中では名古屋市(前年同月比:7.6%増、以下同じ)、大阪市(5.2%増)、福岡市(5.2%増)などでプラス幅が大きめ。京都市(2.6%減)、神戸市(3.9%減)でマイナス幅が大きめだった。

 その他の地域では、9地域中6地域で前年同月を上回った。その中では東北(2.3%増)、関東(2.1%増)、四国(2.1%増)、九州・沖縄(3.7%増)でプラス幅が大きめ。反対に北海道(0.4%減)、中部(2.1%減)、中国(0.9%減)の3地域で前年同月を下回った。

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