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2019.04.24
西友が「楽天市場」に出店、大容量の商品そろえてまとめ買い需要に対応
米ウォルマート傘下の西友が23日、楽天が運営するインターネットショッピングモールの楽天市場に「西友楽天市場店」を出店した。ケース売りや大容量の商品などまとめ買いに特化した店舗で、送料無料にて離島を含めた全国に配送する。西友は売却のうわさがたびたび出るなど、業績の伸び悩みに苦しんでいるだけに、楽天との連携で活路を見いだそうとしているとみられる。
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西友楽天市場店で販売するのは、酒や飲料、米、ベビー用品、大人用紙おむつなど約450品目。まとめ買いする人向けにケース売りや大容量の規格で商品をそろえた。西友の店舗がない地区や大量の商品持ち帰りを負担に感じる人のため、送料を全国無料としている。楽天のIDを使って購入すれば、利用額100円に対し1ポイントの楽天スーパーポイントが付与され、1ポイント1円相当で買い物などに利用できる。
西友は1990年代のバブル崩壊後から業績の悪化に苦しみ、2002年に米国のスーパーマーケットチェーン・ウォルマートと資本業務提携を結んだ。ウォルマートはさらに踏み込んだ支援を展開するため、2005年に西友の株式の過半数を取得して子会社化し、2008年に完全子会社にしている。
非上場の西友は業績の詳細を明らかにしていないが、年間の売上高は7,000億円前後とみられている。ウォルマート・ジャパン・ホールディングスの2018年12月期決算は6,600万円の純損失が出ており、西友の業績が回復していないことをうかがわせる。
そんな中で西友はネットスーパー事業に力を入れている。ネットスーパーへの進出は2000年と業界内で早かったが、2018年にウォルマートと楽天が提携を結んだことにより、2018年10月から「楽天西友ネットスーパー」をスタートさせている。楽天が持つID1億超の会員基盤と電子商取引の知見を生かし、販売促進を目指したわけで、楽天市場への出店は楽天との協力関係をさらに進め、業績回復の糸口にしようとする思惑があるもようだ。(記事:高田泰・記事一覧を見る)