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2022.12.30

岩手の老舗百貨店「川徳」、新会社設立で経営再建へ ファンドが主導

 経営危機が続く岩手県盛岡市の老舗百貨店・川徳は、事業を承継する新会社を設立して再建する方針を明らかにした。中小企業支援ファンドのルネッサンスキャピタルの主導で再建するもので、岩手銀行、北日本銀行、日本政策金融公庫、商工組合中央金庫も支援し、売り場の刷新や百貨店経営に精通する外部人材の起用を進める。

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 経営刷新は「生まれ変わる新・川徳」がコンセプト。来店客に上質な文化を体感してもらえるよう売り場をリニューアルし、新しいコンテンツを提案する。同時に、若手や女性社員の登用、外部人材の起用で組織改革を進めるとともに、組織のスリム化も図る。

 岩手銀行元取締役の荒道泰之社長は続投する方針。川徳友の会やカワトクカードの会員サービス、商品券などはこれまで通り利用できるほか、主力店舗は存続する見通し。

 川徳は江戸時代末の1866年、盛岡で木綿商として創業し、戦前の1937年に百貨店の許可を得た老舗。盛岡市内に百貨店本館と別館を持つほか、岩手県内にスーパーを核とする2店舗を経営している。

 11月に開く特売セール「えびす講」は岩手県の風物詩となり、県内各地から来店客を集めたほか、青森県などへサテライト店を出店していたが、経営の悪化で店舗網の縮小を続けた。2022年2月期の単独売上高は約170億円。新型コロナウイルスの感染拡大もあり、ピーク時の半分以下に落ち込んでいる。これに伴い、負債は約140億円に上ると見られる。

 地方は若者の百貨店離れやインターネット通販の拡大に加え、急速な人口減少で百貨店経営の危機が続いている。既に山形県や徳島県が百貨店ゼロ県になったほか、北海道帯広市の藤丸が2023年1月末の閉店を決めるなど、苦境打開の道が見えていない。(記事:高田泰・記事一覧を見る

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