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2025.04.27
3月のSC売上は好調続く 百貨店はインバウンド不振で2カ月連続の前年割れ
日本百貨店協会と日本ショッピングセンター協会が3月度の売上高を発表。インバウンドが伸び悩んだ百貨店は売上が前年割れとなった一方、販売促進の効果でショッピングセンターは好調が続いていることが分かった。
■天候不安定で百貨店は2カ月連続で前年下回る
25日、日本百貨店協会が3月度の全国百貨店売上高概況を発表した。売上高は前年同月比(店舗数調整後)2.8%減の4,953億2,251万2,000円となり、2カ月連続で前年同月を下回った。
天候が不安定だったことから春物商材が不振。インバウンド需要も客数こそ過去最高となったが、高額品が不振だったことで売上高は36カ月ぶりに前年同月を下回り、前年割れが続いた。
■10都市中7都市で前年下回る
大都市では10都市中7都市で前年同月を下回った。その中では東京(前年同月比:4.2%減、以下同じ)、広島(7.3%減)、福岡(5.9%減)でマイナス幅が大きめ。
反対に名古屋(0.8%増)、神戸(1.9%増)で前年同月を上回り、札幌は前年並みだった。
都市以外の地区は7地区中5地区で前年同月を下回った。その中では関東(3.2%減)、四国(6.1%減)でマイナス幅が大きめ。東北(1.2%増)、近畿(1.8%増)の2地区で前年同月を上回った。
商品別売上高も2月に続いてほとんどが前年同月を下回った。その中でも、子供服・洋品(4.1%減)、身の回り品(8.9%減)、その他雑貨(6.0%減)などでマイナス幅が大きめ。前年同月を上回った分野は化粧品(1.4%増)、家具(5.3%増)、家電(25.2%増)、その他家庭用品(5.5%増)、サービス(5.2%増)、その他(6.8%増)の6商品に留まった。
■販促好調でショッピングセンターは前年同月上回る
同日、日本ショッピングセンター協会が3月度SC販売統査報告を発表した。売上高は前年同月比2.8%増の6,933億137万7,000円となり、37カ月連続で前年同月を上回った。
イベント等の販促やテナント入れ替えの効果に加えて、3月後半から気温が上昇したことで、春物ファッションが好調。卒業式や入学式向けの礼服等の需要も高く、新生活向けの雑貨、春休み需要や送別会の団体客により飲食も好調だった。
■都市部・地方とも売上好調な地域が多め
売上のうち、テナントは同3.1%増の5,375億8,526万3,000円で、全体同様に37カ月連続で前年同月を上回った。キーテナントは同1.7%増の1,557億1,611万4,000円となり、5カ月連続で前年同月を上回っている。
大都市は14都市中13都市で前年同月を上回った。その中では札幌市(前年同月比:4.7%増、以下同じ)、名古屋市(4.8%増)、大阪市(6.2%増)、福岡市(7.4%増)などでプラス幅が大きめ。前年を下回ったのは、さいたま市(0.2%減)のみだった。
その他の地域では、9地域中7地域で前年同月を上回った。その中では中部(3.1%増)、北陸(3.2%増)、中国(3.8%増)でプラス幅が大きめ。前年を下回ったのは、北海道(1.1%減)、四国(0.6%減)の2地域だった。(記事:県田勢・記事一覧を見る)