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2022.06.14
マーケティングに役立つ8つの認知バイアスとその活用事例
最近、書店に並ぶ本を見ていると、ビジネスシーンにおける認知バイアスへの注目度の高まりを感じる。
認知バイアスとは元来、認知心理学や社会心理学の用語。
人が何かを判断する時などに、統計学的な誤りや、個々人の物事の見方によって認知に歪みが生まれ、その結果非合理的な判断をさせる要因となるものを指す。
ユーザー理解の究極として人間の認知の理解があるのかもしれない、などと感じつつ、今回は、マーケティングに役立つ8つの認知バイアスを実際の活用シーンや事例を用いながらご紹介していく。
人は他者や周囲に影響を受ける
人は想像以上に周囲の影響を受けている、そんなことを実感する効果からまずはご紹介しよう。
1. バンドワゴン効果
これは、多数が選択をしている対象に、より多くの支持が集まるという効果である。
日々生まれるあらゆるトレンドは、どれも最初はマイクロトレンドから始まり、次第にメガトレンドになっていくが、この現象もバンドワゴン効果によって説明できる。
ちなみにこの背景には、同じく認知バイアスの1つとして語られることの多い FOMO (Fear of Missin Out) が存在していると考えられる。FOMOは、何かを見逃すことによって取り残されることへの不安や失敗する恐れを意味する。
FOMOという言葉自体はソーシャルメディアが一気に普及した数年前を境によく聞かれるようになったが、概念としてはずっと昔から人間の認知に関わる特徴として存在していた。
「取り残されないように」とまでは行かなくても「自分もその波に乗りたい」という気持ちでサービスを選んだり、利用した経験がある人も少なくはないのではないだろうか。
マーケティングに活用するなら
バンドワゴン効果をマーケティングに活かす最もシンプルな方法として挙げられるのは、キャンペーンの告知で「人気ナンバーワン」や、「ユーザーから高評価獲得」といったメッセージを使用すること。
施策そのものへの活用としては、インフルエンサーマーケティングや、著名人による口コミやおすすめなども、バンドワゴン効果を期待したものだと考えることもできる。
また、BtoC向けのビジネス施策にありがちかと思うかもしれないが、BtoB企業においても「Testimonials」として、過去のクライアントからの声をウェブサイトに載せることもよくある。
第三者からの客観的な評価を示すことで、その企業の信頼性を高めるとともに、自分たちも成功事例に続きたいと思わせる気持ちを誘発する効果が期待できる。
多数の人に支持されていることが間接的に伝わるメッセージを磨き、発信していくこと、あるいは、すでに多数の人に支持されている人の影響そのものをうまく活用することが、この効果をビジネスに活かす上で、基本でありながらも重要なことだろう。