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2024.01.01

テルマ 「日本ならでは」を掘り下げる 世界と肩を並べるために

 いま勢いのある日本の新進デザイナーブランドの一つに「テルマ」がある。デザインするのは、「ドリス・ヴァン・ノッテン」や「イッセイミヤケ」で経験を積んだ中島輝道さん。鮮やかなプリント、景色や空気を感じさせるストーリーなど、様々な要素が重なるモダンな服は22年春夏のデビュー当初から、服好きの玄人を引き付けてきた。デザインの柱は、日本の伝統的なテキスタイル。10年以上、パリ・コレクションに携わってきたデザイナーは、世界と肩を並べるために、あえてそのルーツ、日本を追求した。

本流ではない

 ドリス・ヴァン・ノッテンでキャリアをスタートした中島さんは10年の入社後、デザイナーのアシスタントとして西洋の服作りをじかに学んだ。次第に経験値は上がるものの、どこまで行っても〝洋〟の服。感覚的にはこなせなく、「自分は本流ではない」という劣等感をぬぐえなかった。デザイナーとして成熟するためには、「表面的ではない確かなものをつかまなければ」。それが、日本の風土ならではの技術を掘り下げるきっかけとなった。

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