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2017.12.24
ファッション×音楽のぶつかり合い HELLY HANSEN 140周年記念イベント
2017年12月13日、「HELLY HANSEN(ヘリーハンセン)」の 140周年を記念するイベントが渋谷のTRUNK HOTEL(トランクホテル)で開かれた。
イベント当日は、ブランドの歴史を振り返るアーカイブの展示や「Yogee New Waves(ヨギーニューウェーブス)」とのコラボコレクションのローンチならびに先行販売を実施。さらに、ヨギーニューウェーブスのボーカル角舘健悟がスペシャルなアコースティックライブを披露した。アーカイブの展示スペースで角舘が美しい音楽を奏で、ファッションだけでない音楽と融合したイベント会場になっていた。
今回のイベントの目玉であるアーカイブの展示では、140周年を記念し作られたセーリングジャケット、雑誌『POPEYE』とコラボしたフリース、そして、過去に出されていたアイテムとそのアップデート版としてのコラボアイテムが並び、過去と現在のアイテムを見比べることができる趣向だ。
角舘が愛用していた90年代に作られていたウインドブレーカーが復刻版として出され、完全防水、高透湿性の最新素材が使われ、同様に90年代に生産されていたツーウェイタイプのプルオーバーは、半分から下のフリース部分が昔からある素材、上のキルティング部分が新しい素材となるなど、どのアイテムも古くからある良いものは残しつつ、現在の新しい要素を融合させアップデートさせていた。
そして、今回のコラボの特徴として2ndアルバム「WAVE」にちなんで、綺麗な青が使われていたり、プルオーバーのキルティング部分が、波型に縫い付けられている。スウェットは汗の乾きが早く、寒い時はしっかり保温することが出来る素材が使われているなど、「どんなところでも音楽を楽しめる洋服を」といった彼らの想い感じることが出来る仕上がりだった。
今回のイベントでは、角舘健悟のライブがあるということで多くのファンも来場し、会場は熱気に溢れ、ファッション業界と音楽業界それぞれの力のぶつかり合いを感じた。
まさに、今のファッション業界には、このような異業種同士のぶつかり合いが必要なのではないだろうか。
実店舗で物を買うのが主流の時代から、家のソファで寝転びながらネットで買い物をするのがトレンドになった現代において、リアル店舗に足を運ぶ人の数は減少している。
だがそんな中、イベント翌日に訪れたヘリーハンセン原宿店では早くも一部のコラボ商品が品切れになるなど、勢いを見せていた。
強い歴史、伝統を守るだけでなく積極的に新しいものを取り入れ誰かを巻き込み、色々なものに挑戦していこうという意欲。ファッション単体でなく、ライフスタイルそのものを提案していくヘリーハンセンの想い。ファッション×音楽といった違う業界同士のコラボのパワー。ファッションの可能性を改めて感じさせてくれる、そんな夜だった。
(上部写真・ヘリーハンセン、写真と文・雨宮正芳)