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2018.06.08

若手デザイナーのインキュベーター R for D 近藤弘一

ファッションメディア『DEED FASHION(ディードファッション)』が、渋谷・神泉にセレクトショップ「R for D(アールフォーディー)」をオープンしました。

人と人、人とモノとのコミュニケーションを重視し、デザインと出会う場所を設けるというテーマを持つこの店は、ディードファッションの取材を通じて生まれました。

ディードファッションの編集長であり、アールフォーディーのオーナーでもある近藤弘一さんにお話をお伺いしました。(写真と文・雨宮正芳)

 

   

―― どのような経緯でお店を始めたのですか?

ディードファッションでは、古着屋さんなど自分の好きなものや残したいものだけをアーカイブするというテーマで、自分の感性に合った若手ブランドとこれから伸びるであろうブランド、もっと可能性があると思うブランドを取材していました。そして、そこで集まって取材したブランドを実際にもっと見てもらいたい、広げたいという想いがあり、見せる場所として作ったのが今回のお店になります。

――メディアの想い表現する場としてお店を出す事は、とても魅力的な事に思えます。そんな中、お店を出店するにあたって苦労した事は何でしたか?

やはり、何回も回数を重ねて会って話し合わないといけないのですが、展示会は年に2回しかなく、会える回数がすごく少ないので、なかなか話を出来ないのが大変でした。しかし、自分がどういう人でどのようなことをやりたいかを熱意を持って話し、知ってもらい、その結果、徐々にアトリエに遊びに行けるようになりました。今では、どのブランドもデザイナーさんと何回も会話を重ね、アトリエはもちろん、プライベートでも色んな話を聞いているので、どのブランドにもすごく思い入れがあります。

 

 

――リーマンショック以降の10年で若手デザイナーの卸ビジネスの縮小が著しいですが、この状況変化の理由は何だと思いますか?

売れてるブランドばかりに目がいき、新しいブランドに興味を持つ人が少なくなっているという要素が関係していると思います。若手ブランドにとっては他のブランドを蹴り落として入るしかないという状況がずっと続いていて、そのブランドを蹴落とすにも多過ぎて中々入っていけない。チャンスが少なく、そこがきつい原因かなと。しかし、そのブランドらしい色を出しながら他のジャンルのものと絡めて展示をしたり、地方の人と何かを一緒にするなど、ブランドを残したいなら無理をしてでもやるべきだと思っています。

――将来の展望を聞かせて下さい。

何店舗もやるというイメージはなくて、ここだけで完結させたいと思っています。将来的には30ブランドぐらいを集め、分散ではなく集中させ、東京で洋服を見るならここという場所を作っていきたいです。今は少しストリートの意味が曖昧になっている気もしているので、自分の好きな洋服を着て行ける場所でもありたいですね。そして、色んな人と人とが出会い、繋がり、お互いに影響し合い可能性を広げてくれる。そんな役割をこのお店が担っていければと思っています。

 

 
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