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2018.10.28
ユニクロがECを一段と拡大しなくてはならない理由
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ファーストリテイリング(以下ファストリ)がECに進出したのは、2000年。同年8月期決算発表時の添付資料に「インターネット通販による通信販売の売り上げにおいても、カタログ通販同様に軌道に乗せるべく努力していく所存」なる旨が記されているが、その後の決算で「ネット通販の売上が(比率が)云々」といった記述は殆ど見受けられなかった。私が「存在感を強めているな」と実感したのは17年11月23日のことだった。
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ユニクロ創業30周年を記念してユニクロは、弟分のジーユーと同時に27日まで店頭・ネット通販の双方で「創業感謝セールス」を行った。初日の23日早々にサイトへのつながりが悪くなり、午後6時にはダウンしてしまったのである。想定以上のアクセスの集中が原因。翌日11時ごろには復旧したが、つながりづらい状況が残った。ファストリは23日・24日の謝恩商品の販売を27日まで続ける措置を執った。
そしてファストリがECに本腰を入れているな、と改めて痛感したのは前8月期決算だった。「14.4%の増収、33.9%の営業増益、90円増配440円配」と好調な決算の中で目を引いたのは「海外ユニクロ」の売上高が8,963億円と初めて国内のユニクロの売上高(8,647億円)を上回った点であり、国内EC売上高が前期比29.4%増の630億円と総売上高比率7.3%に達したという事実。そして今期もEC売上高30%以上の増収としている点である。
アパレル小売業を担当するアナリストの見方は「国内の店舗網拡大についてはファストリ自体が必ずしも積極的でない。少子化時代が進行する中、ネット慣れした若者層向けにはECの拡充こそ肝要と捉えている。ダイフクとの物流面での提携にも象徴的だ。また海外でも伸長を続けるためにはEC体制の整備が不可欠」で一致している。ファストリのEC注力は加速化しよう。
見方を変えるとファストリには内外にライバルがいる。柳井正CEOは「うちは生産から手掛けており、異質な存在」とするが、国内ではアパレルサイトZOZOTOWNを運営するZOZO。海外では世界1のアパレル製販会社「ZARA」(スペイン)。ZARAとユニクロの間には(売上、店舗数で)大きな隔たりがある。それを埋めるためには、海外のEC拡充が求められるからだ。(記事:千葉明・記事一覧を見る)