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2014.05.28

様々なイベントで活用される UBER

 みなさんは普段、急ぎの移動などにどのような手段をお使いですか?私は最近、「Uber」をしばしば利用することがあります。

 

 「Uber」は、”Everyone’s Private Driver”(みんなのプライベート運転手)をモットーに、モバイルアプリを通して、いつでも、どこでもオンデマンドでプライベートのカーサービスを提供しています。しかも事前に決済情報としてクレジットカードを登録する事から、キャッシュレスで乗車出来る部分もユーザーにとっては非常に便利なサービスなのです。 2009年、米国のサンフランシスコで創設。2010年にはiPhoneやAndroidのアプリをリリースし、ニューヨークでも3年程前からサービスが対象となりました。

様々なイベントで活用される UBER

 ニューヨークで暮らしているとタクシーを拾い、行き先を告げると、そっち方面には行かないよと乗車拒否されることもしばしば。そんな事も慣れてしまえば気にもならないのですが、急いでいる時などはやはり困ります。

 

 「Uber」のサービスがニューヨークで開始されて以来、毎年2月、9月に開催されるニューヨークコレクション中、各エリアで開催されるファッションショーへ取材に走るエディターやファッション関係者の間で便利な移動サービスとして利用されています。

 

 ファッションデザイナーの「Alexander Wang(アレキサンダーワン)」は今年2月に行われた2014年秋冬コレクションの会場をマンハッタンからブルックリンに変更。移動にフェリーのサービスや、Uberの割引クーポンを用意したといいます。その頃のNYタイムズに掲載された記事によれば、米ヴォーグ誌の関係者は、アレキサンダーワンのファションショーへの移動にやはりUberを利用したそうです。

 

 コレクション中の移動に人気の Uber 。会場から会場への移動が多い時間帯に一旦車を手放してしまうと再び車を掴まえるのはなかなか難しいもの。なんやかんやでアレキサンダーワンのショーの前後を含めてなのでしょうか、トータルで2時間26分を利用。その方は合計で372ドルかかったそうですが、 Uber の割引のクーポンを活用した為、272ドルで押さえられたそうです。

 

 それでも高い!と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、連日続くファッションウィークの取材はとても過酷で、ハイファッションに身を纏い、ハイヒールで取材を回るファッション関係者にとって Uberのようなカーサービスは欠かせない存在なのです。

 

 今年1月に私も出席させて頂いた、全米小売業協会主催の「NRF Retail’s BIG SHOW 2014」の会場でも Uberのサービスはフル回転。特にこの時期は寒さもあり、確実な移動手段としてUberのサービスを確保されている方が多かったようです。

 ヘルスコンシャスなニューヨーカーが多く足を運んだ「Green Festival」の会場でもスポンサーとしてUberはイベントに参加。ハドソン川沿いの会場であるピア94は移動にちょっと不便な場所でもあるため、ここでも Uberは便利なサービスとして重宝されていました。

ファッション+ITなキャンペーンを実施

 今年は冬がとても長かったニューヨーク。5月に入りようやく暖かくなり衣替えをしなくては、と思える気候にようやくなりました。その一役を買おうとUberは、慈善団体のグッドウィル・インダストリーと組みマンハッタン在住者を対象に、衣替えのキャンペーン「Uber Spring Cleaning」を開催。まだ着ることが出来る不要な衣類を中心に袋にまとめておけば、UberのSUV車が回収に来てくれるという無料のサービスを、5月3日の午前10時から夕方4時の時間限定で実施。
私もこの情報をツイッターでキャッチ!

 (ニューヨークでは不要な衣類はグッドウィル・インダストリーや、サルベーションアーミーの様な慈善団体が持つショップにも日頃から持ち込むことが出来ます。またファーマーズマーケットなどでも回収を行なっていますので、持ち込む事が出来ます。)

 

 さっそくクローゼットや、いつか着るかもしれないと思ってクリアボックスに眠っていた衣類を整理していくと、気付けば袋4つというボリュームに。

開始と共にサービスに殺到

 開催日の朝10時、さっそくアプリを立ち上げると左端に「SPRING」のオプションが追加されていた。操作は通常カーサービスを頼む要領と同じく、ピックアップしてもらう自宅前を指定し依頼するだけ。

 

 しかしさっそく依頼はしてみるものの、ピックアップ車が全て出はからってしまっている為、少ししたら再び依頼してくださいというメッセージが携帯へと届く始末。その後10分置きに再チャレンジしてみたものの、その度に携帯にしばらくお待ち下さいのメッセージが届き、ややイライラとせっかちになった。殺到しているのだろうと思いつつも、この時点でサービスがちゃんと機能しているのか、果して自分が正しくサービスを使っているのか不安になり始めた。そこで情報収集をしようと@Uber_NYCのツイッターアカウントを確認。特にリアルタイムの情報を確認するにはやはりツイッターが一番早くて便利です。

#UBERSPRINGCLEANINGの活用とツイッター

 今回のキャンペーンでは「#UBERSPRINGCLEANING」のハッシュタグの利用を打ち出していたこともあり、さっそくこの#UBERSPRINGCLEANINGのハッシュタグでツイッター上を検索。サービスに関連した“みんなのつぶやき”情報などを収集してみた。

 

 既にツイッター上では @Uber_NYCと、サービスを利用したい人たちとの間で熱いカンバセーションが始まっており、私もその輪に参加することで状況を確認してみた。@Uber_NYCとユーザーとのツイッターで目立ってつぶやかれていたのは、

 

●アプリを起動しても「 SPRING 」のオプションが見つからない。
●依頼をしてもうまく行かない。
●全然車が捕まらない。
など。

 

 私も「 SPRING 」の文字が灰色から黒く表示されなければ近くに車が居ないという意味だということが1時間ほど依頼を続けていた後にようやく、@Uber_NYCとのツイッターでのやり取りで分りました。

またそれと同時にマンハッタンの中でどのエリアで依頼がしづらくなっているのかが、ユーザーのつぶやきから把握することも出来ました。

 

 しかし開始から2時間が経過するも全く車捕まらず。

寄付する荷物はまとめてしまった訳ですし、ここで諦めるわけにはいかない。そう思いながら執念深くさらに10分置きくらいにアプリをチェックすること4時間。ようやく一瞬「 SPRING 」の文字が黒文字に変化したのをキャッチ! 荷物をピックアップしてくれるSUV車を確保することに成功しました。

“つぶやき”はみんなの便利な情報網

 無事不要な衣類をピックアップして頂きサービスの利用が完了後、午前中からツイッターで対応をしてくれていた@Uber_NYCへ“お礼のつぶやき”を忘れずに行なった。今回サービスを利用する上で私もツイッターで「車がなかなかつかまらない」「アプリの使い方がいまいち分からない」などツイートしましたが、それは愚痴というよりも、その状況を提供する者、また同じ様にサービスを利用したい人と共有するための行為でした。

 

 実際今回このようなサービスを利用したいと感じた人はマンハッタン在住以外でも居るということや、みんなが不満に感じたこと、喜んだことがみんなのツイートからUberへと伝わったと思われます。

 

 こうしたツイッターでのやり取りは互いにとって貴重な情報のリソースです。こうして実際このような企画に参加し、ツイッターを介してカスタマーサービスが受けられる便利さを体験すると、実にソーシャルネットワークの存在がビジネスに不可欠なサービスになってきているのを改めて感じさせられます。

 

キャンペーン名: UBER SPRING CLEANING
実施日時:5月3日 午前10時から午後4時(当日夕方6時まで延長に)
実施対象:ニューヨーク、マンハッタン限定
ハッシュタグ: #UBERPSRINGCLEANING
UBER アプリ:iOS , Android 


 

RINA  

R I N A

90年代の米国がネットバブルだった頃に米国にて日本向けのファッションポータル事業にコンサルタントとして関わる。

 

以降、「ファッション」と「インターネット」上で行われるビジネスを中心とした事業に15年ほど携わり、Web製作やディレクション、ビジネスのコンサルタントを行う。現在は米国のファッション事情やトレンド、ファッションとIT関連を中心とした執筆、今までの経験と知識を活かしビジネスサポートも行っている。

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