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2014.10.29

マストとなるか!?インスタグラムを活用したソーシャルショッピングサービス「Like2Buy」

 9月に東京で開催されていた2015年春夏を発表する東京コレクション。その模様はアパレルウェブのコレクション特集サイトや、インスタグラム上ではハッシュタグ「#MBFWT」を使い、アップされている方々の様々な目線(写真)を通じてチェックしておりました。

 

 そこで今月の「Fashion x IT」コラムでは、この数ヶ月の中で気になったインスタグラム関連の動きをご紹介したいと思います。

ソーシャルショッピングの今

 米国では、ソーシャルメディアショッピングを身近にするサービス「Like2Buy(ライク・トゥ・バイ)」を、量販店の「Target(ターゲット)」や百貨店の「Nordstrom(ノードストロム)」と言った最新のテクノロジーに敏感なリテールが先頭をきり、サービスを活用したことがこの夏注目を集めました。今では「Saks Fifth Avenue(サックス・フィフス・アヴェニュー)」、「Urban Outfitters(アーバンアウトフィッターズ)」などもCURALATE社が提供するこのLike2Buyを利用しています。

 

 どんなサービスなのかと言いますと、例えばノードストロムのインスタグラムをフォローしている中で、気に入った写真や情報があればlikeしてみます。CURALATE社が提供するLike2Buyのサービスでは、そのlikeした情報をベースに、ソーシャルショッピングを可能にします。

 

 Like2Buyのサービスを利用しているインスタグラムアカウントではプロフィール画面に特別なサイトへのリンクが必ず用意されています。

nordstrom instagram : http://instagram.com/nordstrom

 プロフィールの中に記されているそのURLをタップすると、Like2Buyのノードストロムのページがブラウザ上で開きます。画面には「Featured」そして「My Likes」のタブを見つけることが出来ます。自分がインスタグラムでlikeした情報は「My Likes」にシンクされていることから、後はそこからlikeした写真をタップすればノードストロムのモバイルサイトへと飛び、そのままショッピングを可能としてくれるという訳です。(同じ様に「Featured」の画面からもタップひとつでモバイルサイトへと誘導されます。)

 

 もっとすごいサービスだと思った、と思われるかもしれませんが今の時点ではこれがソーシャルネットワークショッピングの最先端なのでしょうし、インスタグラムから一旦外部(Like2Buy)へ飛び、ショッピングを可能とするまでに中間地点が多いのはどうしても仕方がないようです。少しもどかしい気持ちを感じながらも、お客様にショッピングする方法のオプションを更に与えたという意味では今後も利用に広がりが見られるサービスかもしれません。

 

 インスタグラムショッピング以外に今心待ちにされているのが、ツイッターが2015年前半にも本格的な始動を始めると言われているBUYボタン。つぶやきの表示の中に「BUY」ボタンが追加されるという話ですから、これをきっかけにツイッター活用離れしていたブランドやリテールも戻って来るかもしれませんので、来春頃にツイッターは再び注目かも!

シャネルもインスタグラムを開始

 アカウントは取得されていたものの、何もアップされることなく放置されていた女性の憧れのブランド「CHANEL」も、今月(10/13)に遂にインスタグラムに参加を開始。

 

CHANELのインスタグラム
http://instagram.com/chanelofficial

 

 シャネルの代表的な香水、CHANEL N°5の新たなキャンペーンモデルには、ブラジル出身のスーパーモデルであるジゼル・ブンチェンを起用。

 

 CHANEL N°5のキャンペーンタイトル、”THE ONE THAT I WANT”をそのままハッシュタグ「#THEONETHATIWANT」として使い、ニューヨークで行われたCHANEL N°5のイベントの模様を数枚インスタグラムにシェアしました。

 

 10月13日にはそのキャンペーンビデオのティーザー(予告ビデオ)がシャネルのウェブサイトそして、YouTubeやinstagramなどのソーシャルネットワークにもアップされ、みなさんもご覧になったかと思います。

 

 このコラムを書いている時点でインスタグラムのフォロワー数はぐいぐいと伸び、たった10枚程度の写真は平均して2万ほどのlike数がマークされています。今後また放置されてしまうのか、それともこれをきっかけにSNSに積極的になるのか気になるところです。

アーバンアウトフィッターズがメンズライン用のIGアカウントを開設

 10月に入りもうひとつ気になった動きとしては、「Urban Outfitters(アーバンアウトフィッターズ)」がメンズラインの個別のインスタグラムアカウントを取得。

 

City vibin’. #sweaterweather #uomens #uoonyou

A photo posted by Urban Outfitters Men’s (@urbanoutfittersmens) on

 アーバンアウトフィッターズでは、アーバンアウトフィッターズの「urbanoutfitters」、メンズアカウントの「urbanoutfittersmens」、スポーツウェアブランドの「withoutwalls」、アンソロポロジー「anthropologie」、フリーピープル「freepeople」、ウェディングの「bhldn」、そしてガーデニングなどの「shopterrain」が代表としてあります。

 

 「urbanoutfittersmens」のインスタグラムのフォロワーは未だ2万人ちょっとと他のアカウントに比べれば少なく感じるかもしれませんが、開設してから1ヶ月程ですので、これからどのように個別アカウントとして開設をしたメンズラインのインスタグラムを活用してマーケティングを行うのか、またファン等とエンゲージをどのように活性化していくのかが気になりますね!

 

 因にBHLDN や anthropologie、free people、Terrain などもLike2Buyのサービスを活用しているブランドのひとつなのです。

 

Like2Buy
http://www.curalate.com/solutions/like2buy/


 

RINA  

R I N A

90年代の米国がネットバブルだった頃に米国にて日本向けのファッションポータル事業にコンサルタントとして関わる。

 

以降、「ファッション」と「インターネット」上で行われるビジネスを中心とした事業に15年ほど携わり、Web製作やディレクション、ビジネスのコンサルタントを行う。現在は米国のファッション事情やトレンド、ファッションとIT関連を中心とした執筆、今までの経験と知識を活かしビジネスサポートも行っている。

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