アパレルウェブ「AIR VOL. 54」より

Fortnite に誕生した英国百貨店の John Lewis

　オンラインゲーム×百貨店、フリマアプリ×テレビドラマ、ラグジュアリーブランド×動画配信サービスなどひと昔前までには想像することが難しかった企業同士のコラボレーションが近年イギリスでは増えつつあります。この背景にはオンラインゲームや動画配信サービスが店舗やデパート、百貨店以上に人が集まるプラットフォームとして、そして多くの人々の生活に同プラットフォームが馴染んでいることが挙げられます。実際にどのようにタッグを組んでいるのか。3つの事例をご紹介します。

メタバースの世界でPRをする百貨店のJohn Lewis

　英国の百貨店JohnLewis（ジョンルイス)がオンラインゲームのFortnite（フォートナイト）に登場、プレイヤーはゲーム内でJohnLewisが提供するゲームをプレイすることができます。具体的には英国のテレビ番組とタッグを組み、設置したお城の中で多数のゲームを楽しむことが可能です。また、プレイヤーはゲーム内でJohnLewisが提供するクリスマスキャンペーンに関連したゲームやショップ内で販売されている商品の購入もできます。

　また、ファッションに特化したフリマアプリのDepop（ディーポップ）はアメリカ発の人気テレビドラマ「ゴシップガール」とコラボレーション企画を実施しました。Depopでは現在、ゴシップガールのキャラクターの名前のアカウントが登場。それぞれのキャラクターアカウントでは実際に商品が販売されています。ゴシップガールに登場するキャラクターが保有していそうなアイテムが並び、ゴシップガールのキャラクターのようなスタイリングが楽しめる、購入できる企画となっています。

ゴシップガールとタッグを組んだ Depop

　同じくメディアとのコラボレーションとして、Netflix（ネットフリックス）はラグジュアリーブランドのBalmain（バルマン）と提携して新しいコレクションを発表しました。内容はNetflixが作成した映画「TheHarderTheyFall」の公開に合わせて限定ウェアやアクセサリーを含むコレクションがリリースされています。一昔前まではゲームや動画サービスとのコラボレーションは意外な選択肢でしたが、ゲームや動画配信サービスにオフライン以上の集客力が見込める今、イギリスではそうした企業とタッグを組むことは当然の選択肢になりつつあります。また、JohnLewisは広がりを見せるメタバースの世界でもPRを行うことで、先進的な取り組みをするブランドというイメージを顧客に印象づけることが狙いとも語っており、ブランディングの側目からも魅力的な選択肢と言えそうです。

Netflixとタッグを組み、コレクションを発表したBalmain