「Reddy」店舗の様子

　米国で大手ペットブランドというと「Petco Health and Wellness Company（ペットコ ヘルス＆ウェルネスカンパニー）」を取り上げることが多いです。同社は1956年に創業、50年以上の歴史を持つ老舗企業で世代を超えて多くの消費者に認知されています。大切な家族の一員であるペットの健康とそしてウェルネスを考える企業として、常に進化し続けることで注目されています。同社はアメリカ、メキシコ、プエルトリコに1,500店舗以上を運営。その一部店舗には獣医のサービスも設置されています。

　そのPetcoが今年10月、犬用のプレミアムライフスタイルブランド「Reddy （レディー）」のフラッグシップストアをニューヨーク・マンハッタンのソーホーにオープンしました。出店した場所は、アップルストアやルイヴィトンも出店する、ソーホーのファッションとトレンドの中心地。出店場所も含め話題となっている同店へ、下記のポイントを念頭に早速確認へ行ってきました。

-店内ではWi-fiやペット用アメニティーが無料で利用可能

-ペットや飼い主も楽しめる市内でのアクティビティーを開催

-ペットアイテムのパーソナライゼーションのサービス

-環境保護を踏まえたコレクション

-品質と栄養が考えられたペットフードやサプリメント

-コミュニティー掲示板や写真が撮れるブース

　ニューヨークではパンデミックが起こった際、リテールが何ヶ月間も閉店を余儀なくされ、今現在もなおソーホーを含むあらゆるエリアで空き物件が目立っています。ポジティブに考えると、立地の良いロケーションに出店できるチャンスが増え、今回の「Reddy」のストアに関しても、最高の場所に出店することが出来たのかもしれません。2018年にローンチした「Reddy」は、瞬く間にペットコの中で人気のブランドになったと言います。ペットを持つアーバンなミレニアル世代からインスパイアされているというコレクションは、高品質、機能性、耐久性、デザインにも優れたコレクションを展開しています。サイズも小型犬から大型犬まで広く対応しており、展開される90％の商品は、再生プラスチックなどリサイクル素材が使用されているそうです。

「Reddy」はECサイトでも展開

　店舗の中に入ると、カーラー（首輪）やリーシュ、ベッドやおもちゃなど豊富なコレクションが一目で視界に広がり、ワクワクさせます。店内のVMDをチェックしてみると、段ボールを上手に活かしディスプレイに取り入れており、商品以外の部分でも環境への配慮を行っていることが伺えます。店内中央には開放的なフィッティングエリア。“You Look Good （お似合い）”と書かれた鏡があり、ペットもセルフィーが撮れる楽しさも。パーソナライゼーションのサービスを提供するエリアにはテーブルが設置され、リラックスした空間となっています。そこでは、タグのオーダーメイドや、ウェアの柄などパーソナライズされた注文（有料）ができるそうです。

「JustFoodForDogs」のECサイト

　さらに、この店舗では、Petcoが2018年からパートナーシップを組んでいる、素材の味を生かした新鮮で高品質のドッグフード「JustFoodForDogs（ジャスト・フード・フォー・ドッグス）」も購入することが可能です。ジャストフードはペットフード業界のディスラプターとしても知られ、展開する商品は人間並みの品質と言われています。ジャストフードは2019年春に、マンハッタンのユニオンスクエア内にあるPetcoの店舗でプロ仕様のキッチンを設置し、専属の料理人まで用意。サービス開始時には筆者も説明を受けにいきましたが、見た目はオープンキッチンのカフェさながらで、その様子からもジャストフードのペットフードが新鮮であることが非常によく伝わります。

　ペット商品を買う店舗というと従来は、必要な買い物を目的に訪れるような大型店か、お洒落なペット用の服を買うようなブティック型という形態が多いですよね。このReddyのお店は小さいながらもペットにまつわる多様な目的が達成できる他、飼い主がペットと共に、また飼い主同士の繋がりも生まれる、そんな場所だと感じます。

Reddy SoHo

125 Price St.

New York, NY