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2021.10.15

サステナビリティと新人デザイナーの支援を両立
高級ブランドの生地を再販するプラットフォームが欧州から誕生!

アパレルウェブ「AIR VOL.48」(2021年6月発刊)より一部の内容を抜粋して転載しております。

Nona SourceのECサイトより

 LVMHは、デッドストックの生地やレザーなどを再販するNonaSourceという名のプラットフォームサービス(ECサイト)をこの春に立ち上げました。狙いとしては残布を再販することで生地の廃棄を減らす。つまり、サステナビリティを意識。また、新人デザイナーの育成を兼ねた取り組みとなっています。欧州ファッション業界のTOPであるLVMHが支援しているということもあり、現地では話題になっています。

NonaSourceに眠る15万メートル分の生地を再販

 NonaSourceはメゾンブランドや高級ブランドが在庫として抱える生地などを再販するプラットフォームサービス(EC)です。サイトには高品質な素材や生地が多数あり、5月時点では15万メートルを超える生地、実に7万5千着分の衣類に相当する在庫が眠っています。高級ブランドの残布を再販しているので、価格も安く、平均で卸売価格の30%の価格で再販されています。

LVMHの素材調達の専門家によって立ちあげられた

 購入するには登録制のアカウントを最初に申請する必要があり、審査を通過すると専用のアカウントから生地の購入が可能となります。個人販売を現時点では行っておらず、法人への販売がメインとなっています。オンラインで生地を販売するにあたり、ECでは質感や生地のディティールが伝わりやすいような工夫も随所に見られます。

ラグジュアリーブランドで使用されている様々な生地が販売されている

 例えば、生地の撮影には、高解像度のデジタル機材が使用されており、鮮明な写真で生地を撮影。さらに、生地の詳細ページでは動画が掲載されているページも多く、質感やドレープの具合などを確認することができます。欧州ではサステナビリティへの関心度が高く、影響力のある企業がこうした取り組みを率先することは好意的に受け容れられる可能性が高いです。

平均して卸売価格から70%割り引かれた価格で購入が可能

 また、ハイクオリティな生地に触れる機会を幅広い人、ブランドに与えることで、新人デザイナーを育成する狙いがあります。現在はECのみの展開ですが、将来的に店舗を構える計画もあるとのことで、ファッション業界を中心に欧州では注目度の高いサービスとなっています。

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