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2020.02.19

【2020秋冬NYコレ ハイライト3】フェイクレザーがマストハブ フリンジやボマージャケット、アメリカンなユーティリティウェアを、新たなプロポーションで味つける

(写真左から)コーチ、ラグ&ボーン、アディアム

 今季最大の素材トレンドといえるのが、フェイクレザーだろう。英語では、ビーガンレザー、あるいはフォーレザーという。フェイクファーの大ブームに続き、2020秋冬はアウターからトップス、パンツ、スカート、ドレスに至るまで、あらゆるアイテムにフェイクレザーが登場しそうだ。さらにフリンジも、そこかしこで見受けられ、確実なトレンドとなりそうだ。またボリュームあるアウター、ボマージャケット、ミリタリージャケットといったアメリカンなアイテムも強い。ユーティリティな要素が強いブランドをハイライトで紹介しよう。

ラグ&ボーン(rag&bone)

「ラグ&ボーン」は「テクノロジーと人間の相互作用」を探求して、プロジェクションマッピングを駆使して、メンズとウィメンズを合わせたランウェイショーを行った。アップタウンとダウンタウン、マスキュリンとフェミニンといった対照的な要素が前面に打ち出された。

 

 ウィメンズでは、クラシックなメンズウェアの生地を使用してテーラードされたジャケットやパンツ、テーラードされたフェイクレザーのブレザーといったメンズライクなアイテムが登場する。その一方、ミニのスリップドレスや、透けたオーガンジーの生地に花の刺繍をほどこしたロングドレスなど、フェミナンなアイテムも登場した。グレンチェックのトレンチコートやボマージャケット、フェイクファーのコート、ブランケットケープなどのアウターも豊富だ。

 メンズはミリタリージャケットが多く打ち出され、ここでも花柄のワークシャツやパンツといった対比制のあるアイテムを組み合わせ、さまざまなレイヤードの着こなしを提案。アメリカのワークウエアとイギリスのテーラーリング、ミリタリースポーツを融合した同ブランドらしいラインナップとなった。

パーム・エンジェルス(Palm Angels)

 フランチェスコ・ラガッツィが手がける「パーム・エンジェルス」は、メンズとウィメンズ全51点のランウェイを開催した。

 

 今季のテーマは、ずばり“アメリカ”。それも南西部だ。スエードのジャケット、ポンチョ、デザートブーツ、フリンジ、コンチョベルトといったアメリカンなアイテムが並ぶ。然の光景をプリントしたパンツに、大胆な横縞のニット、ナバホ・ブランケット模様のジャケット、サボテンやハゲワシのイラストを編み込んだニットなどの遊び心あるアイテムが目を引く。

 

 絵の具をスプラッターして仕上げたピースも何点か登場して、手の込んだストリートスタイルを表現した。

コーチ(COACH)

 スチュアート・ヴィヴァースが手がける「コーチ」は、メンズとウィメンズのランウェイを開催。80年代のニューヨーク、イーストビレッジにイメージソースを求めた。

 

 レザーのミッドレングスのスカートやキュロットに、シャツやカーディガンをインする形でスタイリングしてみせた。ニュートラルカラーの色調をベースにしながら、イエロー、グリーン、ブルー、ピンク、ライラックといった色を差しこみ、若々しい印象だ。さまざまなカラー展開をする細いストライプのアイテムも登場した。

 

 また当時を代表するアーティスト、ジャン・ミッシェル・バスキアも大きなモチーフとなっていて、バスキアの手書き文字が施されたトレンチコートやバッグがキーアイテムとなっている。

3.1 フィリップ リム(3.1 Phillip Lim)

「3.1 フィリップ リム」2020秋冬コレクション

 数年来、サスティナブルに取り組んでいる「3.1 フィリップ リム」は、今季はランウェイではなくて店舗での展示会に切り替えるという、思い切ってサスティナブルな形式を選んだ。

 

 コレクションのラインはよりエッセンシャルなワードローブを強化した。現代のワードローブをスタイリングで崩しながら、ブランドのコアであるニューヨークという伝統に立ち戻る試みだ。

 

 アウターは極端にボリュームあるコートが目につき、ウィメンズもピローのように柔らかく巨大なコートやブランケットコートがキーモチーフだ。色彩はニュートラルだが、パッチワークや斜めにいれたカラーブロック、プリントなどで、強いグラフィックを出している。フェイククファーのロングコートにオレンジのジャンプスーツを合わせたり、たっぷりしたフレアスカートにはスポーティブなラインを入れたりして、ユーティリティな要素をアーバンに表現する。スポーツウェアの要素と、クチュール的なプロポーションを組みあわせたコレクションとなった。

「サムスン」×「トム ブラウン」

 「サムスン(Samsung)」は、「トムブラウン(Thom Browne)」とコラボレートした「ギャラクシーZフリップ」限定エディション披露のイベントを行った。

 

 フリップフロップ式の携帯電話「ギャラクシーZフリップ」がトムブラウンのシグネチャーであるグレーのボディに、赤白青の三本線があしらわれたデザインとなる。同時に「ウォッチアクティブ」とイヤホンの「ギャラクシーバズ」もグレーに三本線のデザインが施されて発売する。

 

 プレゼンテーションでは、会場にグレーのデスクが並べられ、「トム ブラウン」のスーツを着こなしたモデルが並ぶ。それから上司らしき男が登場し、各人のデスクから携帯電話を手に取ってみると、事務員はタイプライターを打ち始めるといったパフォーマンスで、「トム ブラウン」らしい世界観が反映されている。商品は予約販売を始め、3月に一部店舗で発売する(日本は販売未定)。

 

取材・文:黒部エリ(Text by Eri Kurobe)

「ニューヨークコレクション」

 

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