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2020.01.14

【ピッティ2020秋冬 ハイライト】クラシコの殿堂で拡大するアウトドア由来のソリューションとサステナブル〈2/3〉

ブルネロ・クチネリ(BRUNELLO CUCINELLI)

 これだけクラシックがカジュアル傾向になると、クラシック系とカジュアル系を線引きすることさえ難しいが、基本的にここでは老舗、実力派のエレガントテイストのブランドについてレポートする。前出の通り、全体的にカジュアルダウンの大きな流れが継続しているが、例えば、「ブルネロ・クチネリ」は今シーズン、”Town about Man”をテーマに、都会に生きる男のクチネリ風アーバンストリートスタイルを提案。エレガンスに機能性が共存することでモダンと伝統がブレンドされる。ダウンジャケットやMA-1まで登場するのは、同ブランドとしてはトピックだが、それは上質のカシミアを部分的に使ったモデルだったり、ライニングやディテールに高級生地が使われていたりと、大人のラグジュアリーを感じさせる仕上がりだ。足元もスニーカーやワラビーなどのスポーティかつアウトドアな雰囲気で、都会生活の中でリラックスを求める男たちへのスタイル提案となっている。

ラルディーニ(LARDINI)

 「ラルディーニ」においては、今シーズン、特に生地の開発がコレクションに味わいを加えているところが目に付く。寒い国を鉄道で旅する男をイメージした”シベリア鉄道”というテーマを象徴する、くすんだ木のようなブラウンやベージュなどニュアンスのある色を、染め、洗い、染めを繰り返して生み出したり、ムートンに洗いをかけたりしている。

 

 相澤陽介とのコラボコレクション「ラルディーニ×ヨウスケ アイザワ(Lardini×Yosuke Aizawa)」も発表。ドローラインのジャケットやタイトなシルエット、またはオーバーなフォルムなどこれまでの「ラルディーニ」にはなかったモダンなシルエットを展開する。

ガブリエレ・パジーニ(GABRIELE PASINI)

 そんな姿勢は「ガブリエレ・パジーニ」にも見られ、インスピレーション源になったデザイナーの出身地ラヴェンナのモザイクのようなオレンジや黄緑の蛍光色を差し色にしたり、スプレーやグラフィティなどストリート的な要素をクラシックなテーラードジャケットやコートに施したりしているのが面白い。

タリアトーレ(TAGLIATORE)

 差し色といえば「タリアトーレ」も黄色やオレンジをモノトーンにあわせたり、チェックの一部として使っていたりしたのが目立った。そのコーディネーションはやはりタートルネック&ジャケット、ショールカラーのコートや巻物使い、といった形でかっちりしたスーツスタイルは見られない。

エルビーエム1911(L.B.M.1911)

 同様に「エルビーエム1911」もモノトーンやニュアンスのある茶系にオレンジや黄緑の差し色コーディネートが見られた。またこれも前シーズンから継続したトレンドの太うねのコーデュロイのジャケットをカラフルに展開。さらに洗濯機で洗え、しわになりにくいトラベルジャケットをローンチしっかりと機能性へのアプローチも。

マーロ(MALO)

ドルモア(DRUMOHR)

 ニット旋風の追い風を受けて、ニットブランドの実力派たちは元気がいい。「マーロ」はブラウン系のトーンに、キャメルの後染めニットやニットのセットアップスーツなどをメインピースとして押し出し、「ドルモア」もオレンジ、黄緑、ターコイズ、赤などトレンドカラーをふんだんに打ち出していた。

 

 

 一方、シャツの打ち出しが減っている中、シャツメーカーはシャツジャケットやトータルアイテム展開で応戦する。「バグッタ(BAGUTTA)」はブースの前面にジャケットを展示。一方では水をはじく生地によるシャツなど機能性の追求にも熱心だ。また「ジャンネット(GIANNETTO)」からはアウターまで登場し、トータル展開でコレクションを発表。

ブリオーニ(BRIONI)

 今回はクラシックの老舗のアニバーサリーイベントも多く、「ブリオーニ」はジェリーニ宮にて75周年のアニバーサリープレゼンテーションを発表。1952年にピッティでメンズブランドとして初めてファッションショーを開催し、かつてはクラシコイタリア協会を牽引していた「ブリオーニ」の凱旋は今回のピッティの目玉の一つ。ヨーロッパ各地から集まった一流の演奏家たちが新作コレクションを纏い、旧貴族の邸宅の6つ部屋でクラシックの名曲を奏でるという圧巻の演出だった。ここでもジャケットにはタートルニットやニットポロをあわせたコーディネートや、エフォートレスなシルエットを上質の素材と仕立てで仕上げたクラシックとモダンのブレンドが特徴的だ。

カナーリ(CANALI)

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