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2017.08.09
アマゾンも参入 サブスクリプション(定期購入)型Eコマース人気のワケは?
6,300店舗以上の大量閉鎖がアナウンスされ、窮地に立たされているショッピングモール業界が、プレミアムレストランを導入したり、ジムを併設するなど、“エキスペリエンス”を取り入れたリノベーションで消費者にアピールする一方、ECをベースとしたサブスクリプション・ボックス(会員制定期購入サービス)の需要が増加しています。2,000以上あるサービスの中で最も人気の分野は、アパレル商品とビューティープロダクト。市場調査会社NPDのECチェックアウト・トラッキングの情報によると、「ステッチ フィックス(STICH FIX)」やノードストロームの「トランク クラブ(TRUNK CLUB)」は、EC全体の売り上げの中でも前年比5%の成長を見せており、1回あたりの購入額も同5%増加の170米ドルとなっています。また、それぞれのオンラインサービスを利用してアパレル商品を購入する割合は、「ステッチフィックス」で会員の3分の1、「トランク クラブ」で会員の4割という高い数値が出ています。
サブスクリプションEコマースを利用する理由
(1)店舗に出向く必要がないこと、また、インターネットで商品を探す必要もないことから、時間の節約、ガソリン代、交通費などのコストがセーブできる(2)送料・返品が無料(3)最近は月額のコミットメントがないものが多く、気に入らなければ購入をキャンセルできるサービスや、会員登録の解除も自由にできる“リスクフリー”がトレンド――米国では、携帯電話やケーブルTVの契約も、縛りのないものが主流となりつつあります。仕事や子育てで忙しい消費者が、ショッピングに時間をかけたくないというのも、利用者が増えている大きな理由の1つといえるでしょう。
TRY BEFORE YOU BUY (購入前に試着して!)
6月にアマゾンが発表した「アマゾン・プライム・ワードローブ」は、最大15点まで注文でき、購入前の試着も可能。ウェブ購入でのリスクを100%カバーしたある意味掟破りなサービスです。サブスクリプション型のEコマースは、購入前に自宅で試着ができ、送料・返品が無料という利便性も支持されています。
パーソナライズ・アプローチによる新しいショッピングの楽しみ
先日上場を果たした「ステッチ フィックス」は、3,000人の自社スタイリストが、利用者のサイズや好みに合わせてスタイリングをしてくれるというサービスで人気を集めています。「トランク クラブ」も、買い物が苦手な男性消費者に同様の理由で支持されています。日頃忙しい消費者にとって、自分の好みをベースにキュレーションされた商品ボックスが届くというのは、ショッピングの新しい楽しみ方となっているのではないでしょうか。成長分野とされるホリデーシーズンのセルフギフト(自分へのギフト)ビジネスも、そうした消費者の心理を掴んだアプローチといえるでしょう。
サブスクリプション・サービスの利点と欠点:
人気のサブスクリプション・Eコマース
STITCH FIX | 利用者のサイズや好みをベースに専属スタイリストがセレクトするパーソナルスタイリングサービス。月額のコミットメントはなく、購入が決定した際に、スタイリング料として20ドルがかかる。年商7億3,000万ドル。 |
MM.LaFLeur |
オフィスにふさわしいスタイリングを求めている女性のためのサービス。2016年のフォーブス誌のレポートによると、設立3年半で年商3,000万ドル。 |
Fabletics | ケイト・ハドソンがスタートしたアスレジャー商品の定期購入サービス。月額49ドル。実店舗のオープンも話題となっています。年商は2億5,000万ドル。 |
Five Four Club | 月額60ドルで利用できるメンズウエアのサブスクリプションサービス。3アイテムまで。 |
RENT THE RUNWAY UNLIMITED | 月額139ドルで、ハイブランドの洋服やファッション雑貨が1回3点まで借り放題。 |
KidBox | 4年前にスタートした子供服の定期購入ボックスとして成長中。6~7アイテムで98ドル、5~8アイテムで58ドル。 |
Gwynnie Bee | 婦人のプラスサイズ(ビッグサイズ)。月額49ドル。 |
Trunk Club | ノードストロームが買収したパーソナルスタイリングサービス。(メンズ&レディス) |
商品の価格帯やテイストによって利用者は異なってくると思いますが、小売りビジネス&ファッション・テクノロジー・カンパニーの「EDITED」によると、コアな利用者は、では、年収7万8000ドルの40代前半の女性。昨今のアンボックス動画人気もこのトレンドを後押ししているようです。雑誌の購読ではお馴染みのサービスでも、ファッション業界では新しい切り口のビジネスモデル。引き続き注目していきたいと思います。
■ STICH FIX https://www.stitchfix.com/
■ TRUNK CLUB https://www.trunkclub.com/
■ Amazon Prime Wardrobe https://www.amazon.com/b?node=16122413011
■ MM.LaFLeur https://mmlafleur.com/
■ Fabletics https://www.fabletics.com/
■ Five Four Club https://www.fivefourclub.com/
■ RENT THE RUNWAY UNLIMITED https://www.renttherunway.com/unlimited
■ KidBox https://www.kidbox.com/
■ Gwynnie Bee https://closet.gwynniebee.com
■ EDITED https://edited.com/
マックスリー・コーポレーション
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