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2019.04.10
アマゾンロッカーも設置 米国最大のミュージックフェス「コーチェラ2019」が生む価値と経済効果
via coachella facebook
米カリフォルニア州インディオの砂漠地帯で開催されるミュージックフェスティバル「コーチェラ」が今年も、4月12~14日、19~21日の2週に渡り行われます。165名のアーティストに加え、日本からはパフューム(Perfume)が参加することが発表され、日本でも話題になっています。
通常の入場券は429ドル、VIPパスは999ドルという高額にも関わらず、毎年即完売となる人気のイベントで、昨年のチケット販売数は9万9,000枚。今年はその約2・4倍の21万枚に達するといわれています。入場料だけでなく、宿泊プランも提供されており(カーキャンピングチケットは125ドルで駐車料金別、寝袋や枕などが備えられたテントの宿泊セットは2名で2,458ドル~、4名で3,000~5,600ドル。VIP専用の家具付きテントは、会場への送迎・専用シャワー・トイレ・朝食&晩御飯がついて9,500ドル)、その経済効果も注目されています。
コーチェラの経済効果とブレイクダウン
7億400万ドル | コーチェラ&ステージコーチ全体の経済効果 |
4億300万ドル | コーチェラ・ヴァレイ地区 地元の経済効果 |
1億600万ドル | チケット販売による税金収入(インディオ地区) |
9万9,000人 | 1日辺りの参加者数 |
7万人 | ステージコーチ:1日辺りの参加者数 |
9,000人 | コーチェラ期間中の「エアビーアンドビー(Airbnb)」利用者数 |
数字で見る「コーチェラ」
コーチェラ・ヴァレイ・エコノミックパートナーシップの報告によると、2017年の経済効果のブレイクダウンがありましたので参考まで。インディオ地区では、コーチェラのほか、ステージコーチというフェスも行われています。地元住民の中には自宅を貸し出す人も多く、3日間で2,000~3,000ドル、3週間貸し出すと、住宅ローンの半分をまかなえるとのこと。コーチェラの資料によると、今年はこの期間だけで3,000件の臨時雇用が生まれるそうです。
ポップアップイベントで様々なエクスペリエンスを提供
「コーチェラ2019」で模様されるアクティビティ
会場では100を超えるフード企業が登場しますが、それ以外にも、ファーマーズマーケットやハイネケンハウス、ヨガやピラティス、フットボール場、ヴィンテージレコードショップ、巨大ボードゲームや無料グッズが配布されるアクテイビティーテント、ジュエリーやピンバッジを手作りできるDIYアートスタジオ、ヴィンテージ商品やアパレル企業のポップアップストアなど、盛りだくさんのイベントが行われます。
カルバンクラインによるハッシュタグキャンペーン「#MYCALVINS HOUSE」では、CKロゴの代わりに自分のイニシャルを入れてTシャツをカスタマイズできるイベントも企画。ガソリンスタンドを再現した「イヴ・サンローラン」のビューティー・ポップアップ店では、50色のリップスティックが試せるバーチャル・ミラーや、チャットを介してビューティー・エキスパートが「コーチェラ」に合うメイクを提案してくれるコーナーも設ける予定です。メイクアイテムは販売機で購入することも可能。コンサート終了後も様々なイベントやアトラクションで来場者を楽しませてくれます。
ラストミニッツ・ショッピングにも緊急事態にも間に合う アマゾンロッカーが登場
日焼け止めクリームやモバイルバッテリーなどコーチェラのマストアイテムをキュレートした
アマゾンの特設ページ「アマゾン ロッカー+コーチェラ」
スポンサーとして参加しているアマゾンは、コーチェラにアマゾンロッカーを設置しました。事前の準備はもちろんのこと、フェス中に持ち物をなくしたり、怪我をしたりといったハプニングにも対応。衣類やファッション雑貨のほか、日焼け止めや充電器など、すぐに使いたいアイテムをデリバリーしてくれます。オーダーした当日の配送にも対応。イベント期間中は送料無料で、特別な費用もかかりません。アマゾンのサイトでは、アパレル、ファッション雑貨、ビューティ&ヘルスアイテム、テックアイテム、キャンピングギアなどのギアを揃えた特別サイトを立ち上げています。
購入の際は、コーチェラ会場に設置されているアマゾンロッカーのアドレスを選び、チェックアウトするだけ。荷物が到着すると、Eメールとともに送られるバーコードを使用して商品を受け取ることができます。アマゾンロッカーは現在、全米900カ所に設置されており、留守時の自宅配達による盗難や職場への配達を好まない消費者に対応しています。そのほとんどが、ホールフーズやセブンイレブンとの提携して固定設置されているため、コーチェラのような臨時設置は初めての試みです。
昨年は、H&Mがスポンサーをしていましたが、今年スポンサーとなっったファッション企業はカルバンクラインのみ。 アメックスやBMWのほか、「カップケーキ」や「ハイネケン」などのアルコール飲料、紅茶キノコでおなじみの「コンブチャ」、グルメコーヒーの「ピーツ」、フードデリバリーの「ポストメーツ」といった飲食関連企業も参加。コスメの「ニックス」やウーバー、ユーチューブも名を連ねています。また、iPhoneの下取りプランを提供するグーグルのスマートフォン「Google Pixel 3」など、若年層に人気の企業も数多く出展しています。
アメフトリーグNFLの優勝決定戦「スーパーボウル」は全米で放送され、CM企業にも毎年注目が集まりますが、「コーチェラ」のようなミュージックフェスの来場者は、米国の消費を支える若年層が主体。現地でしか体験できないポップアップストアやイベントは、思い出という価値を生み出し、フェスとファンとの強いコネクションを生み出しているのではないでしょうか。
マックスリー・コーポレーション
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