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2015.08.12
10億ドルブランドも登場 今再びセレブビジネスが成功している理由
グウィネス・パルトローのライフスタイルサイト「グープ」より
ミュージシャンなどが続々とファッションブランドを立ち上げ、ラスベガスの展示会などでも巨大ブースのもと、賑やかしくやっていた頃がありましたが、その多くが長く続かず閉鎖。そんな中、最近では、ジェシカ・シンプソンのファッションブランドの年商が10億ドル(約1,200億円)に達すると注目を集めたのは記憶に新しいところ。アパレルに加え、バッグ、靴、サングラス、ハットなどの雑貨に加え、注目のプラスサイズ(ぽっちゃりさん向け)のデザインまでカバーした、お手頃価格の商品展開が支持を得て、メイシーズやロード&テイラーなどのメインストリームのデパートで販売。絶好調の中、今年4月、ライセンス会社に売却しましたが、新オーナーのもと、今後20億~30億ドル(2,400億~3,600億円)の商売を目指しているそう。その他にも、オルセン姉妹の「エリザベス&ジェームス」の年商も少なくとも10億ドル、不動産王ドナルド・トランプのお嬢さんでモデルのイヴァンカ・トランプのファッションブランドの年商は2億5,000万ドルと好調。いずれも成功の裏には、これらの有名人達がファッションに精通していることが大きい。若い人達が服を買わなくなったと、ティーン向けの小売店が大苦戦している状況を考えると、これらのブランドがここまで成長していることに驚きます。これらの成功を尻目に、セレブ主導のライフスタイルブランドサイトが続々立ち上がっているのですが、昨今の消費者のスタイルに合わせ、従来とはひと味異なるビジネススタイルがホットなようです。
新世代に向けた、米国セレブリティーのオンラインビジネス
自身のライフスタイルをベースに、メデイアとしての役割り+生活雑貨を商売に展開した有名人として誰もがイメージするパイオニア的存在と言えば、カリスマ主婦のマーサ・スチュワート。インテリア、ガーデニング、クッキングなど、広範囲に渡る提案で、主婦層を中心に人気を得ていましたが、株のインサイダー取引による実刑判決を受けるなど、度重なるイメージダウンでビジネスが低迷、先日、売却が成立したばかり。しかしながら、マーサ・スチュワートのスタイルは、昨今のセレブリティー達にとって、恰好のビジネスモデルなのではないでしょうか。続々と増えている米国セレブリティーのオンラインビジネスをざっとご紹介。
グウィネス・パルトロー
クリエイティブ・ディレクターとして、ファッション、ビューテイ、クッキングレシピ、フィットネスやデトックス、音楽やアートの紹介など、彼女のライフスタイルをベースに提案した「GOOP(グープ)」というウェブサイトを運営。「SHOP」欄もあり、Eコマースにも連動。
http://goop.com
ジェシカ・アルバ
第一児を出産以来、エコで安全な環境にしたいという思いから、無添加でナチュラルに拘ったスキンケア商品からビタミン剤、シャンプー、洗剤、ベビープロダクトに至るまで取り扱うサイト「The Honest Company(ザ・オネスト・カンパニー)」を運営。
https://www.honest.com
エレン・デジェネレス
トークショーでも大人気、レズビアンでボーイッシュな彼女のクールなテイストがちりばめられたフ ァッション、雑貨、ホームグッズ等を販売する「ED」をスタート。 オンライン販売に加え、他の小売店への卸売り販売も行うようです。
http://www.edbyellen.com
ブレイク・ライヴリー
「Preserve(プレザーブ)」は、グウィネス・パルトローのサイトと似ていますが、かなりキッチュでより若いファン層対象。独自のライフスタイルの紹介や、お気に入りのファッションブランドやジュエリーなどのブランドストーリーを紹介しつつ販売。デザイナーとのコラボでオリジナル商品も販売。
https://www.preserve.us
リース・ウイザースプーン
テネシー州ナッシュビル育ちの彼女がタイムレスな米国南部地方のライフスタイルをコンセプトに、サザンスタイルファッションや、バッグや靴などの雑貨、ジュエリー、ホームグッズ、ステーショナリーなどを集めたEコマース「Draper James(ドレーパー・ジェームス)」というサイトをスタート。サイト名は祖父母の名前から。商品の40%は南部地方のブランド「メイド・イン・サウス」が占めています。
http://www.draperjames.com
セレブリティー自身によるキュレーション
かつて有名人のビジネスと言えば、名前を貸すことによって、洋服や雑貨、サラダドレッシングまで展開するライセンスビジネスが主流。ロイヤリティーを受け取り、後の作業は、各専門業者にお任せというケースが多かった。実際、米国では靴下や下着など、ライセンス生産で作られた商品はブランドネームが異なるだけでほぼ同じだなと思うものも多く存在する。そんな中、今回取り上げたジェシカアルバや、グウィネス・パルトロー達のビジネスの最大の特徴と言えるのが、セレブリティー自身の息のかかった情報、商品であること。実際に身に付けているブランド、お気に入りの商品など、自らキュレーターとなって発信しており、ファッションに加え、ヘルス&ビューテイ、クッキング、スポーツ、キッズやペットプロダクト、ハンドメイド商品の作り方など、それぞれのライフスタイルによるリアルライフスタイルの情報である事が大きい。
また、SNSを通じて、日頃からファン達と身近にリレーションを持つことができるようになっているため、情報収集や宣伝も容易である。日本でも、モデルのローラさんや水原希子さん、梨花さんなどのインスタグラムを見ていると、身につけている物や、飲んでいるもの、クッキングなど、彼女達のライフスタイルに興味を持っているファン層が多いのと同様なのでしょうね。
米国セレブリティーのサイトは、近所のモールやショップでは見つけることができない商品を見つけることができる、セレクトショップとしての役割、生活を取り巻くその他の情報を得るためのメディアとしての役割も果たしているようです。
マックスリー・コーポレーション
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