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2019.05.17

声紋認証による本人確認の新サービス、JCBが検証開始


実証実験のイメージ図。(画像:ジェーシービー発表資料より)

 
 

 ジェーシービー(JCB)は15日、声紋認証技術を利用し、電話で簡単に本人確認プロセスを行うことのできる新サービスを導入するため、概念検証(PoC、Proof of Concept)を開始すると発表した。丸紅情報システムズの導入支援のもと、アメリカのニュアンス・コミュニケーションズ・インクの声紋認証システム「VocalPassword」を用いて、JCBトラベルと共同で行う。

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 声紋とは、簡単にいえば「声の指紋」である。そもそも声というものは、声道という器官の長さや太さ、口の大きさなどの身体的特徴、発音やアクセント、発話スピードなどの行動的特徴によって個人差を生じるものである。

 ソナグラフなどと呼ばれる装置によって声の周波数分析を行うと、個人ごとに400から500の特徴点を抽出することができ、そのパターンが声紋である。これは基本的に変化することがないとされる。主に研究されてきたのは電話回線を通じた、犯罪捜査のための声紋分析法で、声紋の再現性や特徴的な位置の一致などが多く存在すれば、ふたつの音声は同一人物のものであると判断される。ここまでは一般論である。

 もちろん個人認証の手段には他にも最近話題の顔認証であるとか、手のひら認証であるとか、色々な生体認証があるわけであるが、声紋は特殊なデバイスを必要とせず、電話のような非対面業務にも、対面業務にも応用できるということで、今回検証の対象になったという。

 JCBは現在、一定条件下においてカード番号、生年月日などの情報によって本人確認を行っているが、声紋認証で本人確認を行うようにすることで、よりユーザーのストレスの少ない手続きができないかを検証する。

 なお検証により有用性が認められたときは、順次、対応デスクの選定も進めていくという。(記事:藤沢文太・記事一覧を見る

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