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2018.05.17
【日本トイザらス EC事業の成果と今後㊦】 サイトのリッチ化に本腰、「コミュニティー」をフックに集客
玩具などを販売する日本トイザらスでは、これからの課題としてサイトコンテンツのさらなるリッチ化をひとつのテーマに挙げている。
昨年度を商品別で見るとゲーム機やベビー用品など高額商品の需要を獲得できたことから顧客単価の上昇が見られた。18年度の市場についても引き続き成長することが見込まれているが、近年は配送料金の値上げが進んでいることもあって、以前と同水準の伸び幅を確実に確保することは厳しくなると見ている。そのため、「今までは(通販サイトで)『売る』をメインにしていたが、今後はマインド的な部分でのサービス提供強化にシフトしていくような取り組みになっていく」(eコマース本部の西原慎祐シニア・ディレクター)と説明。
具体的には決済サービスの多様化やコミュニティページづくりなど顧客目線での利便性の改善に着手していく。特にコミュニティページは情報提供を通じて顧客との接点が拡大すると考えられ、すでにベビーカーやチャイルドシートなどで開始している商品解説ページの「セレクトガイド」(画像)機能などに近いものをイメージしている。
一般的にベビー関連商品についてはスペック説明以上の情報を求める顧客が多いことから、運営する専門店の「ベビーザらス」などでも得た接客ノウハウを生かしつつ「知育玩具」といった解説が必要なアイテムを中心に深堀りしたページを作り込む考え。現状では通販サイトとは別のドメインではなく、一体化したページづくりを検討している。
玩具がメインの通販サイトであるため、プレゼント需要という視点ではクリスマス、誕生日など購入機会は限られている。コミュニティページをフックに、イベントがない時期でも頻度高く集客ができるようなページ作りを目指す。
また、カスタマーレビューのテコ入れとしては、関連キャンペーンの定番化を図っていく。現状ではまだレビューがあまりついていない商品も全体の数%あることから、期間限定で行っているレビュー投稿に応じたクーポン付与などについて、条件やインセンティブ内容を変えながら、通年で行うことを検討。カスタマーレビュー数の拡大でSEO対策を図り、トラフィックの増加につなげていく。
そのほか商品施策では昔からの定番アイテムの売り上げが好調なことから引き続き品ぞろえを充実する考えで、並行して自社ブランド商品による差別化も実施。通販サイトでのプロモーションや見せ方は商品のアップデートと共に頻度を高めてファン獲得を目指す。(おわり)