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2018.05.17

【マガシーク ECソリューション事業の現状は?】 取引先のオムニ展開も支援、連携モール拡充へ

 マガシークは、ファッションブランドなどの公式通販サイトの開設・運営支援などを行うECソリューション事業が好調だ。2012年にサービス提供を始めて以来7年連続で成長しているが、前期(18年3月期)は同社がEC運営を受託する取引先ブランドの自社EC売上高合計が前年比約2・3倍となる14億円強での着地を見込んでいる。
 
 同社は、運営する「マガシーク」および「dファッション」の在庫と取引先ブランドの自社EC在庫を共有化して品ぞろえの強化につなげるとともに、大手百貨店のECや外部ECモールとも在庫連携し、複数サイトで同時販売することで消化率を高められる"サテライト戦略"が強み。
 
 事業環境としても、昨今はアパレル企業の自社EC強化の気運が高まっているのに加え、自社ECを開設して一定期間が経過した企業が多く、システムや物流面などでの課題が表面化する時期であることもEC支援を手がけるマガシークにとっては追い風だ。
 
 前期は、同社が運営支援する、高級婦人服を手がけるレリアンの通販サイト「レリアン オフィシャル オンラインストア」が予想以上に好調だったことや、外資系人気ファッションブランドのサイト改修を受託したほか、既存の取引先ブランドもEC会員が増加し、成長期に入ったことで伸びたという。
 
 また、ブランドが自社EC強化に本腰を入れる中で、実店舗を含めたオムニチャネル施策に対するニーズが高まってきており、マガシークでもレリアンの自社ECには店頭在庫表示機能を先行して実装しているが、前期は店頭と自社ECの顧客・ポイント情報を一元管理できるようにした。
 
 昨年10月には、アスクルが運営する日用品の総合モール「ロハコ」のマーケットプレイスに「マガシーク ロハコ店」を開設した。同取り組みは、「ロハコ」がファッション領域強化に向け、同カテゴリーの核としてマガシークを誘致したもので、「ロハコ」内での認知拡大に伴って売り上げにつながっているという。
 
 マガシークはサテライト戦略に沿って、「ロハコ」との取り組みでも、商品在庫はマガシークの倉庫(神奈川県座間市)で管理している。
 
 今期(19年3月期)についても、サイト刷新や新規ECの運営受託など引き合いが多く、今期中に7つの新規通販サイトのオープンを予定。ミセス向けファッションや外資系ブランドなどの自社EC運営を受託しており、取引先ブランドの自社EC売上高合計は前年比約40%増の20億円以上を計画する。
 
 サテライト戦略の強化・拡充面では、8~9月をメドに競合ファッションECモールとの情報連携にも乗り出す計画で、取引先ブランドがマガシークに在庫を預けながら、他社モールでも販売できるようにしていく。
 
 また、今後は雑貨やインテリアメーカーなどにもターゲットを広げたい考えで、ファッションブランドに限らず自社ECの課題解決をサポートする。加えて、インタラクティブ動画のニーズも高まっているようで、自社倉庫でも動画撮影のトライアルを始めるという。
 
 マガシークによると、自社ECを受託するブランドからは預かる在庫量が多くなるため、結果的に「マガシーク」での売り上げ伸び率も大きく、相乗効果が見込めることから、「ECソリューション事業は今後も自社サイトの売り上げ拡大に貢献する形で伸ばしていきたい」(田中宏樹取締役ECソリューション事業本部長)としている。
 
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