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2022.04.28
三陽商会 3年後にEC売上98億円へ、サイト刷新やOMO推進で、自社ECが成長けん引
三陽商会のECサイト「sanyo i store」
三陽商会は、2025年2月期が最終年度の3カ年中期経営計画においてEC事業を成長領域として強化する。ECプラットフォーム刷新によるマルチブランド戦略の実現やOMO推進によるECと実店舗の相互補完体制の確立などで自社ECを強化するのに加え、外部ECモールとの取り組みを強化して自社ブランドの認知拡大と売り上げ維持を図ることなどで、EC売上高は前期(22年2月期)実績の80億3000万円に対し、3年後に98億円を計画する。
自社ECの強化に向けては、各ブランドECサイトと自社モール型の「サンヨー・アイストア」を統合してメディアコマース化する方針で、今上期中に開発に着手して23年度の下期に新サイトへの移行を予定する。
各ブランドのブランディングを担保しながら、ブランドをまたいだ買い回りを促進し、顧客体験価値の向上を図る。
また、コンテンツ強化や商品画像の改善、スタッフ着用画像活用などによるリアルなコーディネートの提案を強化するほか、EC専用商材拡充によるプロパー売り上げの拡大につなげる考え。
加えて、OMO展開を加速することで自社ECと実店舗でシームレスなサービス提供を目指す。
昨年11月に創刊したブランド総合カタログ「サンヨー・スタイル・マガジン」を通じた自社ECと実店舗の相互送客を図るほか、今年4月22日にスタートした新ライン「シービー・クレストブリッジ」の1号店では、店舗内と自社EC内の顧客行動データをシームレスに解析して顧客ごとに最適な商品提案などを行う実験をNRIデジタルおよびプレイドと共同で開始した。
一方、外部ECモールについては、各モールでの露出を強化してユーザーとのタッチポイント拡大に努めるほか、一部のECモールが提供するOMO機能を活用した自社ECおよび実店舗への送客と回遊性を強化する。
こうした取り組みにより、自社ECの売上高は前期の54億円(自社EC比率67%)から3年後に71億円(同72%)を目指す。外部ECモール経由の売上高は前期の27億円を維持する方針だとしている。
なお、三陽商会の前期EC売上高は、値引き販売の抑制もあって前年比9・7%減と振るわなかった。今期は、値引き販売の抑制を継続するものの、EC専用商材の拡充や実店舗との相互送客の強化などで前年比3・1%増の82億8000万円を見込んでいる。