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2020.05.14

ロコンド ファッションウォーカー買収、サイトは残し在庫一元化、衣料品と顧客基盤強化

 

 靴とファッションのネット販売を手がけるロコンドは5月7日、ワールドが保有するファッションウォーカー(FW)の全株式を取得することで基本合意し、7月をメドに同社の衣料品通販サイト「ファッションウォーカー」の運営を引き継ぐ。ロコンドはアパレル分野の品ぞろえ拡充を図るとともに、既存ユーザーよりも若い20~30代女性の取り込みを加速する狙いだ。

  株式譲渡契約締結は6月、譲渡実行日は7月を予定。現時点で買収額は未定とする。ロコンドによると、買収完了後も「ファッションウォーカー」のサイトは残して運営を続けるが、在庫は「ロコンド」サイトと共有化し、「ロコンド」内でも取り扱うことでMDの強化や顧客層の拡大につなげる。

 FWはメーカーの自社ECの構築・運営を請け負うEC受託事業も手がけているものの、当該事業は今回の買収に含まれておらず、EC受託事業はワールドグループが継承する予定だ。当該事業はロコンドのプラットフォームに載せ替えることが難しいことに加え、ワールドとしてもデジタル領域でのソリューション事業を強化していることから、今回の買収内容からは除外されたようだ。

 ロコンドは、昨年3月下旬にも千趣会からレディース衣料の通販サイト「モバコレ」を手がけるモバコレを買収し、「ロコンド」内に吸収して「ロココレ」として展開している。今回、FWの買収でアパレル企業とのさらなる関係強化に努め、アパレル商材の品ぞろえ拡大を図る。

 加えて、ロコンドは今期(2021年2月期)、ユーチューバーやインスタグラマーなどと組んでコラボ商品の開発を本格化し、40代が中心のロコンドユーザーよりも若い年齢層へのアプローチに着手する戦略もあり、25歳~39歳が主要顧客である「ファッションウォーカー」の会員基盤を獲得できるだけでなく、当該層への提案力強化につなげる。

 ロコンドの20年2月期の商品取扱高は前年比29・5%増の約183億円。「ファションウォーカー」については、近年はファッションECモールの競争激化などから縮小傾向にあったと見られるが、年間取扱高は50億円程度だ。買収完了後は、「ロコンド」と「ファッションウォーカー」で双方の商品を販売し、両サイトの売り上げ拡大を図ることで、ゾゾに次ぐファッションECモール2位グループの先頭に立ちたい考え。

 コスト面では、ロコンドの持つ物流・ITインフラに統合して固定費を削減し、「ファッションウォーカー」事業としても利益を確保したい意向だ。

 なお、ワールドは今回の事業譲渡について、競争環境の激化や配送費の大幅上昇などでECモール運営事業の収益性が悪化し、FW単体での収益改善は困難と判断。より成長性と収益性が見込めるソリューション事業へのリソース集中を図る目的でモール運営事業の譲渡先を模索していたという。ワールドグループは今後、自社通販サイト「ワールドオンラインストア」を中心とした同社ブランドのEC事業や、外部企業のEC受託事業の事業拡大に集中する。

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