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2020.02.27

メルカリ EC企業とデータ連携、アイスタイルや丸井などと、アプリから購入導線も

 

 メルカリがアパレルECや化粧品ECとのデータ連携を始める。小売りやメーカーといった一次流通企業が保有する商品データや顧客データと、メルカリが持つ購入・検索・閲覧といったデータのほか、居住などの行動データを連携させることで、マーケティングや商品企画、ソリューション開発などにつなげたい考え。また、フリマアプリ「メルカリ」において目当ての出品物が売り切れだった場合などに、データ連携している企業の通販サイトから商品を購入できる仕組みも導入する。
 
 一次流通企業のIDとメルカリのIDを連携させることで、双方のアカウントが保有する購入履歴などのデータが共有可能になる。一次流通側では、「メルカリ」における購入・検索・閲覧などのアクションデータを把握できるようになるため、通販サイトや店舗において、顧客の好みに合致した商品提案ができるようになる。また、「メルカリ」とのID連携により、一次流通企業の通販サイトや店舗での購入履歴が「メルカリ」に自動で反映できるようになることから、履歴にある商品を出品する際に説明文などの入力が不要となる。

 メルカリでは今春から、「メルカリ」の使い方が学べる「メルカリ教室」、商品を投函するだけで発送できる「メルカリポスト」などの機能を備えた実店舗「メルカリステーション」の展開を予定しており、第1弾として丸井が運営する「新宿マルイ本館」に出店する。また、「メルカリ」で商品が売れたあとにアプリに表示されるQRコードを読み取らせることで自動で発送ラベルを印刷し、貼付した商品を投函するだけで発送が完了する「メルカリボックス」も、今夏から全国のドコモショップなどに設置する。これらのインフラを活用して利用者の発送エリアや利用時間帯などのアクションデータを収集、提携企業の近隣店舗への来店を促す。さらに、商品発送に訪れたユーザーに対しては、決済サービス「メルペイ」の割引クーポンを発行する。

 商品データの連携も進める。一次流通企業の商品カタログデータを「メルカリ」と連携、出品されている商品と紐付ける。一次流通企業は商品ごとに「メルカリ」内での動向(地域や属性別出品・購入数や出品価格、閲覧数)が閲覧できるようになる。「メルカリ」ユーザーは、商品単位での検索などが可能になるほか、出品時にはバーコード読み取りや画像認識を用いることで、出品したい商品がカタログデータと紐付き、情報入力が簡易化されるメリットがある。

 さらに、一次流通企業は「メルカリ」内での個別商品ページから自社通販サイトへの購入リンクが設置できるようになる。すでに書籍やCD・ゲームでは一部でこうした取り組みを行っているが、衣料品や化粧品といったカテゴリーにも広げる。目当ての出品物が売り切れだったり、中古品と新品を比較したかったりという利用シーンを想定している。

 アパレル関連や化粧品関連企業と提携する。丸井との取り組みでは、丸井の通販サイトと「メルカリ」のデータを連携し、「メルカリ」アプリで商品検索した際に、丸井の通販サイトの商品を表示したり、同サイトで購入した商品を「メルカリ」の持ち物リストと連携して出品しやすくしたりする。

 ファッション関連では他にも、アダストリア、パル、ベイクルーズとの連携を予定。コーディネート画像データとの連携や、「メルカリ」から通販サイトへの送客を今春から行う。

 化粧品では「@cosme」を運営するアイスタイルと業務提携を締結。「メルカリ」における商品別取引数や平均価格といった情報を化粧品メーカーに提供する。また「メルカリ」での商品検索時に「@cosme」における販売情報を提供し、同サイトへの送客につなげる。

 2月20日に開催されたメルカリの戦略説明会において、山田進太郎CEO(写真)は「『メルカリ』の流通総額は年間約5000億円だが、日本市場においてもまだまだ道半ば。これからは二次流通ならではの強みを活かし、一次流通を始めとしたパートナー企業のビジネスをエンパワーメントしていきたい」とした。野辺一也執行役員は「メルカリのデータを連携することで、商品サイクルや価格といったデータが鮮やかに見えてくる。これによりメーカーが商品を強くできれば、二次流通においてもより高い価格で流通するようになる」と述べた。また、ゲストとして登場したアイスタイルの吉松徹郎社長は「『メルカリ』における化粧品の流通額は年間約400億円とのことだが、実店舗のどの売り場よりも大きい数字であり、大きな変化が起きていることが分かる。大事なのは今起きている変化を『見える化』することだ。二次流通における現状をメーカーやブランドに把握してもらうのが提携の最大の目的。メルカリが持っているデータの可能性を最大限活かしていきたい」と意気込みを語った。

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