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2024.12.31

《ニュース2024》ラグジュアリー戦略 「サヴォワールフェール」に注目

 24年は「サヴォワールフェール」(匠=たくみ=の技)に注目が集まった。世界的に手仕事の技を継承することの大切さが問われており、ラグジュアリーブランドを中心に職人の育成を進める動きが活発になった。

職人を守り育てる

 優れた手仕事を持つ職人を守り、育成していく取り組みはブランドごとに異なる。ケリンググループの「ブリオーニ」が9月、伊アブルッツォ州ペンネにテーラーリング学校「スクォーラ・ディ・アルタ・サルトリア・ナザレノ・フォンティコリ」を開校した。次世代のテーラーを育成するという使命は、ブリオーニの継続的な他の取り組みとも密接に連携しているという。同グループは、「ボッテガ・ヴェネタ」が熟練の職人を育成する学校を開いている。

 LVMHモエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトンは、匠の技の継承と発展を目的として、15年にLVMHメティエダールを設立。今年は新たな施設での展覧会を開催した。仏語で「メティエ」とは職や仕事を指し、「アール」は芸術や美術を意味する。この二つを合わせたメティエダールは、伝統的な職人技やその芸術性をたたえる表現だ。

 同組織は手工業や職人たちの活動に投資をし、アトリエの保存や新たな技術の導入を通じて、匠の技を継承しようとしている。22年に設立したLVMHメティエダール・ジャパンは、日仏の文化に精通した盛岡笑奈氏がディレクターに就任。盛岡氏の企画による特別展を、11月にパリ市内で新たに修復された歴史的建造物「ラ・マン」で披露した。文化や自然との対話から生まれる、日本ならではの詩趣あふれる工芸品を紹介した。

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