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2021.08.27
顧客体験向上のためのOMO 2つのトレンドと4つの成功事例
以前からサービスのデジタル化は進んでいたが、新型コロナウイルスの影響により、非接触サービスやオンラインサービスが求められるようになった今、この傾向はさらに顕著になっている。
実際2021年度のEC市場規模は前年比10%を超えており、キャッシュレス決済の一つであるQR決済利用率も54%と過去最高をマークしている。
そういった中、「OMO (Online Merges Offline)」が注目されていることはご存知だろうか?「オンラインとオフラインの融合」という言葉通り、オンラインとオフライン両方のチャンネルを駆使したマーケティングや顧客体験向上のための動きを指しているが、その実情を理解している人は多くはないかもしれない。
OMOを考える上で重視すべき2つのトレンド:
1. 情報の集約化
SNSや決済が一つの媒体でできるスーパーアプリのように、デジタル上でのサービスや機能の集約により、様々なデータを統合することが可能になってきている。また、5Gなど最新のテクノロジーにより、オフラインとオンライン間のデータのやり取りが加速している
2. 行動データの追跡
センサー、位置情報やAIカメラにより、従来追えていたオンライン上の購買データに加え、オフラインの行動データを取得することが以前より可能になってきている
つまり、今後オンラインとオフラインのデータの豊富さやリアルタイム性がますます向上することで、より顧客のニーズを正確に捉えることができるようになる。サービスのOMO化は単純に既存のサービスをEC化するだけではない。
集約されたデータを活用し、オンラインとオフラインを上手く融合することで、顧客体験を最適化することが鍵となる。
ここからは、OMOを正しく理解し、優れた顧客体験を提供している企業を4つ紹介していく。
1. Walmart
世界最大のスーパーマーケットチェーンであるWalmart。長年積み上げてきたオフライン店舗の強みを生かしつつ、OMOを取り入れることでECの王であるAmazonに追いつく勢いで成長している。
彼らの成功の秘訣は豊富なデリバリー経路にある。国内外に多くある実店舗や大規模な倉庫の他、最近ではマイクロフルフィルセンターというローカル化された小さな倉庫を増やすことにより、商品の届け方に様々な選択肢を生み出している。
例えば、サブスク登録することで無料宅配が頼めるネット販売の他、事前にオンラインで注文し、店舗で受け取る “BOPIS”(Buy online, pick up in-store)を提供している。
また、オンラインで頼んだものをスタッフが車に積んでくれるサービスや、カメラを装着したスタッフが商品を冷蔵庫の仲間で届けるInHomeデリバリーも行っている。
同時に、Cruiseという自動運転会社に投資をすることで、電動の無人自動運転車の配達によりラストワンマイルを達成することにも積極的に取り組んでいる。