オンラインカスタムシャツブランド「オリジナルスティッチ（Original Stitch）」を運営するオリジナル社（米サンフランシスコ、ジン・コーCEO）は、スマートフォンで簡単に身体採寸ができる「ボディグラム」をBtoB事業として正式にローンチした。「ボディグラム」よる採寸データを蓄積し、様々な用途に活用するためのデータ・プラットフォーム「ボディバンク（BodyBank）」も同時設立した。

■関連記事
【CEOに聞く】オリジナル社がスマホ起点のサービス開発に注力　急拡大するCtoCマーケットにも対応

「ボディグラム」の使用イメージ（オリジナル社発表資料より）

　「ボディグラム」は、スマートフォンで撮影した写真2枚と身長・体重・性別・年齢の入力のみで、瞬時に被写体の身体を精密に採寸・測定できるツール。オンラインカスタムシャツブランド「オリジナルスティッチ（Original Stitch）」を運営する同社が、次の主軸ビジネスとして研究開発を進めてきたテクノロジー。技術開発の一環として、様々な人種・体型の被験者800人を対象に行った採寸テストでは、ほとんどの身体のパーツで誤差を1センチ以内と身体採寸精度は99％にまで到達したという。コンシューマー向けツールとして開発したが、今後は、マスカスタマイゼーション（多品種少量生産）の実現を図るテクノロジー系企業へ提供していく。

「ボディバンク」の仕組みイメージ（オリジナル社発表資料より）

　パートナー企業は、「ボディグラム」よる採寸データを蓄積したプラットフォーム「ボディバンク」を通じて、自社のウェブサービスやアプリに、「ボディグラム」による身体採寸ソリューションを導入することができるようになる。「消費者の採寸データを活用したカスタムフィットプロダクトの提供や、アパレルECの大きな課題である、既成品ブランドと消費者のサイズのマッチング、また、精度の高い細かな採寸データを取得することによって、各種ECサービスの収益向上と返品率の改善に貢献できる」という。

　現在、米国において身体採寸テクノロジーとして2つの国際特許を申請中。2018年10月からは、「ボディグラム」の採寸技術と取得データを様々なウェブサービスやアプリに導入可能な「ボディバンク」のデベロッパー向けソフトウェア開発キット（SDK）の提供を開始。2018年8月に発表した寝具メーカー「エアウィーヴ」との業務提携では、 ユーザーの体形に合わせて硬さを調節した寝具を生産する過程で「ボディグラム」で計測した採寸データを提供。アパレル業界だけでなく、幅広い業界でその活用機会の拡張を視野に入れる。

　オリジナル・ジャパンの藤本学COO（最高執行責任者）は今回の発表について、「「ボディグラム」という弊社の採寸ソリューションはアパレルECが抱える様々な課題を解決し、消費者のみなさまへよりきめ細かなウェブならではのサービスを提供するポテンシャルを秘めている。今後、多様なパートナー企業とコラボレーションすることでその可能性を極大化していきたい。今回のローンチ発表によりパートナー企業様のPOC（概念実証）、サービスローンチに向けた各種開発などに取り組む。すでに複数のパートナー候補企業との話し合いを進めているおり、オンラインカスタムシャツブランドの垣根を越え、テクノロジー企業としてさらに大きな飛躍を目指す」としている。