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2018.11.16
【ミラノ現地レポート】新作発表会で明らかにされたシューズ「トッズ ノーコード」の進化
(左から)ソク・ヨンベ氏、ミケーレ・ルーピ氏
【14日・ミラノ=田中美貴】「トッズ(TOD’S)」社は、2018年11月14日(現地時間)、伊ミラノのオフィチーネ・メカニケ・ディ・リーヴァ・カルツォーニにて、「トッズ ノーコード(TOD’S No_Code)」第2弾の発表イベント「TOD’S No_Code Evolution」を行った。
今年6月に発表された同プロジェクトは、2012年春夏から4シーズンに渡りカプセルコレクションとして発表された「トッズ ノーコード」を刷新し、このレーベルの基でアーティストやアスリート、デザイナーとのコラボレーションにより、メゾンの既存ルールや従来の枠組みにとらわれない商品を展開していくというもの。
第2弾となる今回は、新作モデルの「トッズ ノーコード シューカー02」(シューカーとはShoeker=ShoeとSneakerを合わせた造語)の御披露目と同時に、より深く追求されて進化した同プロジェクトのコンセプトやフィロソフィーの発表でもあった。発表会において繰り返し強調されていたのが、“最新テクノロジーと、メイド・イン・イタリーの最高の素材と職人技の融合”というキーワードだった。時代によってルールは変化するなかで、オンとオフの境界線のない現代において、スニーカーは1日を通して履けるアイテムとなり、またシーズンやトレンドに関係なく、長く使えることが必要となる。その際に求められる必要条件がこの“テクノロジーと職人技の融合”という結論なのだろう。
「TOD’S No_Code Evolution」の模様
また今回、このプロジェクトのフットウエアカテゴリーにおける初のデザイナーであり、製品哲学の解釈を先導するクリエイターとしてソク・ヨンベ氏が着任し、よりコンセプトをクリアに進めていることもこのプロジェクトの発展のカギを握っている。ヨンベは「靴は機能的であると同時に、モノとして美しくなければいけない」と語り、その考えは美しく構築的なフォルムに、同社自慢の高品質レザーとエヴァという特殊素材を使って耐久性も高く超軽量に仕上げられたこの新モデルに反映されている。
同イベントではBMWグループのチーフデザイナーとして著名なクリス・バングル氏や、イタリア人のデザインキュレーターのアンジェラ・ルイ氏、ミラノでミシュラン星付きレストラン「TOKUYOSHI」のオーナーシェフとして活躍する徳吉洋二氏をスピーカーとして迎え、各々が「ノーコード」をテーマとした、彼らなりの考えを語った。それは最新テクノロジーと職人技や美意識との融合という点でこのプロジェクトのコンセプトと同調するものだった。
付記しておきたいのは、「トッズ」社は12月からGQ、ローリングストーン、ICONなどの有名誌編集長を歴任してきたイタリア出版界の重鎮ミケーレ・ルーピ氏をヴィジョナリーディレクターとして迎えること。すでにルーピが今回のプロジェクトに参加していることも本件への大きな貢献となっているとみられる。
ブランドを刷新するにおいて、すでにファッション界での実績のあるデザイナー達の間でのクリエイティブディレクターの交代やファッションブランド同士のコラボが多く見られる中で、ファッションという枠やルールを超えた世界との協調や影響によって生まれる新しいプロジェクトは、ファッション界への新しい提案として今後の動向が注目される。
取材・文:田中美貴
■問合せ:トッズ・ジャパン
公式サイト:https://www.tods.com/jp-ja/home.html
TEL:0120-102-578