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2023.03.23

「ナノアット」初ショーを開催 一対のルックで魅せるこだわりの美

 

 
 ディレクター後藤凪とデザイナー田中睦人が手掛けるユニセックスブランド「ナノアット(NaNo Art)」が、3月21日東京都港区の「スパイラルホール」でブランド初となるランウェイショーを開催した。
 
 2019年に二人でブランドを立ち上げ、2020年秋冬シーズンからコレクションをスタートした「ナノアット」。ブランド名は“Nano”と“Art(芸術)”を掛け合わせた造語で、洋服ひとつひとつがアートであり、コレクションはナノサイズの美術館であるというブランドコンセプトから名づけられた。
 

 今シーズンは“What is value”をテーマに、ブランドが一方的に提示する制作から販売までのストーリーではなく「購入してからのお客様の心の動きに重点を置いたスタイル」を表現したという。テーマの発端となったのは、デザイナー田中が訪れた兵庫県たつの市の皮革製品工場での体験だ。買い手がつかない、害獣として駆除された傷だらけの鹿の革が田中の目には唯一無二のものに感じられ、物事の価値は受け手次第で表裏が変わるということを改めて考えさせられた。そこで人の価値について思いを馳せたことでたどり着いたのが、今回のコレクションのキーとなる正義の女神「ユースティティア」が持つ天秤だったという。その形をモチーフにしたラペルのジャケットのほか、すべてのアイテムが公正中立を示す天秤のようにシンメトリーなパターンで仕立てられている。

 
 また、プレゼンテーション方法も天秤を想起させるように2体ずつ対となって登場。遠目には同じように見えるルックでも、素材がシルクかポリエステルかで異なるテーラードジャケットであったり、シームにバイピングが施されているか否かというディテールの差だったり、はたまたボタンが貝ボタンなのかプラスチックなのか、といった細やかな違いを提示して、価値の創出と選択を受け手に委ねている。
 
 ベーシックなアイテムに芸術性を加えてブランド独自のユニークさを提案する「ナノアット」。初のランウェイショーを終えて、後藤と田中は「販売先を拡大して、これからもショーを続けていきたい」と今後の意気込みを語った。

 

写真:デザイナー田中睦人(左)とディレクター後藤凪(右)

 

取材・文:アパレルウェブ編集部

Courtesy of  NaNo Art

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