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2023.03.23

国内最大級、ファッション&デザインの祭典「TOKYO CREATIVE SALON 2023」開催 「ミキオサカベ」のプレゼンテーションも

 国内最大級のファッションとデザインの祭典「東京クリエイティブサロン2023(TOKYO CREATIVE SALON 2023)」が、2023年3月17日~31日にわたり、東京を代表する6つのエリア(丸の内・有楽町、日本橋、銀座、渋谷、原宿、羽田)を中心に行っている。

 

 東京クリエイティブサロンとは、東京クリエイティブサロン実行委員会とエリア毎の独立した実行委員会、さらに協力企業・団体との連携によって、それぞれが企画・実行するイベントを集約させた一大フェスティバルで、第4回目の開催となる。今回は、今まで限られた人しか見られなかったファッションウィークの一部を一般観覧可能にするという、「Rakuten Fashion Week TOKYO」との取り組みも行った。

 

 

 

「イコーランド(EQUALAND)×ミキオサカベ(MIKIO SAKABE)」

 

 「東京クリエイティブサロン2023」の一部として、「イコーランド×ミキオサカベ」のプレゼンテーションを開催した。

 プレゼンテーションの会場は東京の若者カルチャー発信の地、原宿。マンションの一室にボロボロになったマットレスが舞台として設置し、そこに「イコーランド ×ミキオサカベ」のコラボレーションアイテムを纏ったモデルたちが登場。プレゼンテーションはストーリー仕立てで展開される。どこかに監禁されている少女たちが舞台の上で奇妙な儀式を行ったり、自由気ままに振舞ったりという内容。そして最後は自由を求めて脱走する。すると舞台の外に設置されたテレビから「今日精神病院で精神病患者の脱走がありました」というニュースが流れてくる。これは、エコやエシカルに振り回されすぎてストレスで精神を病んでしまった人たちのストーリーという、「ミキオサカベ」らしい非常にシニカルなコンセプトであった。

 

 クリエイティブとサステナブルで社会課題の解決を目指す「イコーランド」の、優しい素材を使用した着心地のよさそうなオーバーサイズのパーカーやスウェットは、「ミキオサカベ」のデザインエッセンスによりモードに着こなせるユニークなシルエットにしている。販売開始は2023年の秋冬のタイミングを予定しているという。

 

 

 

「アキコアオキ(AKIKO AOKI)」& me プレゼンテーション

 「東京クリエイティブサロン2023」の一環として、原宿の会場で「アキコアオキ」がブランドのアイデンティティを象徴するインスタレーションを実施した。ブランドらしいエッジの効いたウィメンズテーラリングのコレクションはブラックで統一されており、多くのマネキンの中に一人だけ本当のモデルがいるというユニークな表現を見せた。

 

 この展示は合同展で、「ミキオサカベ」を手掛ける坂部三樹郎氏らが主催するファッションスクール「me」から選出された生徒たちのブランドも出展した。

 

 今回の合同展示会のテーマは“ハイパーデイリーライフ(Hyper daily life)”。アパレルやルックスに関わる限局的な定義で捉えられがちな「ファッション」の概念を本質から見つめ直し、各ブランドのデザイナーによる多様なファッションの解釈を提示する展示となった。

 

 生徒代表を務めた安川貴信氏が手掛ける「ヤスカワ(YASUKAWA)」は、家族がフードコートで食事をしている様子のインスタレーションを行った。家族は最初仲良く会話をしているのだが、そこにモードな装いのモデルが二人入ってきて家族の会話が止まる。これは、あえて「普通の家族」と「モードなモデル」の極端な対比をすることで価値基準の転換を表現したのだという。また、「普通の家族」が着ている服も古さを表現するために縫ってほどいてを100回繰り返したり、あえてボロボロの加工を施したりしている。

 

 また、「ファッション=服」という概念に違和感を感じたという「ウォーターブルー(water blue)」は、VRでランウェイショーを表現。ファッションとはその時代を投影するものであるという新たな概念とその幅広さを伝えたいとデザイナーは語った。

 

 異色なインスタレーションと華やかなアイテムで目を引いたメンズブランドの「ヒュウガ(hyuga)」は、デビューシーズンなので自己紹介のようなコレクションにしたと語った。軸となるのはクラシカルなメンズテーラリング。昔から女性の装いが好きだったというデザイナーが、テーラリングをベースに男性がマスキュリンに着こなせるドレスを提案している。肩を強調した構築的なシルエットで男性らしさを表現できるアイテムにはなっているが、女性が着用することも可能だという。

  • akikoaoki

  • Hyuga

  • YASUKAWA

  • SHO MURATA

  • IZUMO

  • KADDET

  • Seiya Sawada

  • AOI

取材・文:アパレルウェブ編集部

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