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2012.09.21
“なう”が好きな人はインスタグラム
今年に入ってから「ファッション」と「IT」をテーマにコラムを書き続けて来ました。9月6日より8日間に渡り開催されたニューヨークコレクションではまさにこのコラムのテーマそのままと言って良い程、今シーズンも様々な部分でデジタルメディアとファッションの融合が見られました。
まず昨シーズンはショーを観に訪れたお客様の多くがiPadを持参。モデルがランウェイに登場するなり一斉にiPadの小さな壁があちらこちらに登場しその瞬間を撮影。タブレット市場がどれだけ一般レベルで広がっているのかに驚かされました。しかしそんな様子も今シーズンのニューヨーク・コレクションではそれほどでもなく、より手軽にその一瞬を撮影出来るiPhoneやBlackBerryなどを中心とした携帯電話を使って写真を撮影している人の方がなぜか多く見られました。
その理由のひとつにはモバイルで撮影した写真を共有し合うアプリ、「instagram (インスタグラム)」の存在があるに思われます。
インスタグラムについてはFacebookが買収したサービスということで記憶にある人も多いでしょう。
instagram (インスタグラム)
iPhone 、 Android版の両方のアプリがリリースされています。
アメリカのファッション業界では既に、というよりも“マスト”なレベルでインスタグラムがブランド情報の発信のツールとして活用されています。
例えばトレンドに敏感な女性を中心に人気の高い「Rebecca Minkoff (レベッカ ミンコフ)」。
レベッカ ミンコフはファンたちに向け自分たちのミンコフスタイルをシェアするインスタグラムを活用したコンテスト、 “Style to Win”を開催。内容はお気に入りのRMのバッグや靴、洋服を着たファンたちはそのスタイルを思い思いにインスタグラムで撮影。ハッシュタグ #RMCatwalk を使い、レベッカ ミンコフのツイッターアカウント @RebeccaMinkoff へ向けて投稿するというものだった。
投稿された中からより優勝者には、リンカーンセンターで行われるレベッカミンコフの2013年春/夏のランウェイショーを見に行けるチケットが2枚プレゼントされ、ブランドのファンにとっては夢の様な企画となった。
その夢のチケットを獲得したラッキーなRMファンのその体験を綴ったブログはこちらで読むことが出来る。
早くからSNSを含む様々なデジタルテクノロジーを活用したマーケティングを積極的に取り組んでいるレベッカ ミンコフは、常にブランドのファンたちと積極的にコミュニケーションを図り、女性の心を掴む商品展開に成功しているブランドの1つだと言えよう。
この他にもクレジットカード会社のアメリカンエキスプレス社がインスタグラムを活用した面白い試みをニューヨーク・コレクション中に行っていた。
今シーズンもニューヨーク・ファッションウィークのスポンサーとして参加したアメリカンエキスプレス社は、ファッションフォトグラファーでイラストレーター、スタイルブロガーでもあるGarance Dore(ギャランス・ドレ)とコラボレート。リンカーンセンター内のアメリカンエキスプレスのラウンジに設置されていた2m以上はある3つのタワーに、ドレがインスタグラムを使って撮影したストリートスタイルの写真を配信した。
またこの企画では自分が撮った写真をインスタグラムで共有する際、ハッシュタグ #AmexFashion をコメント欄につけることで誰もが参加することも出来でき、優秀な写真として選ばれるとドレ撮影の写真と共にこのタワーで紹介がされるというものだった。
またユニークだったのは写真が流れるこのタワーはタッチパネル化されており、ハート印の部分触れる事でLikeすることが出来たのは画期的だった。
アパレルウェブでも今シーズンのニューヨーク・コレクション期間中は、ハッシュタグ #awlive を使い出来るだけリアルタイムでコレクションの模様をインスタグラムで伝える企画を行ってみた。
インスタグラムのブームはアメリカに比べるとまだまだ日本では爆発的なブームとまではいっていない様ですが、センスやコツは必要ではあるもののビジュアルを使った情報の発信という部分では手軽ですし、そして見る側にとっても伝わりやすい。そういった意味ではブログやツイッターで何を書いたら良いのか戸惑うという人にでも取り組みやすいソーシャルメディアと言えるかもしれません。
アパレルウェブのインスタグラムはこちら
http://web.stagram.com/n/apparelweb/?vm=grid
R I N A 90年代の米国がネットバブルだった頃に米国にて日本向けのファッションポータル事業にコンサルタントとして関わる。
以降、「ファッション」と「インターネット」上で行われるビジネスを中心とした事業に15年ほど携わり、Web製作やディレクション、ビジネスのコンサルタントを行う。現在は米国のファッション事情やトレンド、ファッションとIT関連を中心とした執筆、今までの経験と知識を活かしビジネスサポートも行っている。
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