RINAのFASHION x IT レポート from NYC Vol.32

RINA

　　J.C.Penney Company Inc.（JCペニー）のCEOの座よりロン・ジョンソン氏が退任してから二ヶ月が経とうとしています。その残念なニュースが発表された後のJCペニーでは、行き届かなかったサービスの過ちを認め、顧客に戻ってきてくれるよう語りかけるコマーシャルをテレビで放送、話題となりました。

　JCペニーというと郊外のショッピングモールで見かけるイメージがありますが、実はNY、マンハッタンにも在るのです。 Macy’s（メイシーズ）や巨大なVictoria’s Secret（ヴィクトリアズシークレット）のフラッグシップストアが在るヘラルドスクエアには、Manhattan Mall（マンハッタンモール）という小規模のショッピングモールがあります。

　Manhattan Mall には地上２階、地下２階のフロアに様々なリテールが出店。その地下の２フロアに2009年７月、 JCペニーが出店しました。 グランドオープン直後にどんなものかと足を運ぶと、天井の低くさからかフロア全体がどこか暗く感じられ、お客様は入っているものの華やかな活気は感じられませんでした。そんな事もあり電車ですぐ行けるロケーションにオープンしたものの、この数年で足を運んだのは４、５回程度に留まっていました。

　しかし今春、新たなデザイナーとのコラボレーションやリテールの出店が実現され JCペニーの存在に注目が集まりました。中でも2011年よりニューヨーク進出を始めたカナダ発のファストファッションブランド「JOE FRESH by Joe Milliam（ジョーフレッシュ）」はJCペニーとチームと組み、全米に1,100あるJCペニーの681の店舗内にショップ・イン・ショップをオープンする計画を発表、今年３月にはManhattan Mall にも出店。

　改めてモールへ足を運んでみたところ、地下フロアには JOE FRESH の楽しいカラフルなカラーパレットの商品が迎え入れてくれ、マンハッタンに４店舗展開される JOE FRESH の雰囲気を凝縮した売り場作りとなっていました。 JOE FRESH の売り場を中心に周囲には「Pearl by Georgina Chapman of Marchesa（パール・バイ・ジョルジーナ・チャップマン・オブ・マルケッサ）」やランジェリーの「Cosabella Amore（コサベラ・アモーレ）」など出店と同時期に行われたデザイナーズのコラボのコレクションの売り場が見られました。またメンズを中心としたフロアにはLEVI’Sのデニムバーもこの Manhattan Mall 店でも見られました。 デニムバーは、ウッドの大きなカウンターテーブルに豊富に取り揃えられたデニムを閲覧出来るタブレットが設置され、隣の売り場にはWilliam Rust（ウィリアムラスト）もあり若々しいクールさが演出されています。

　こうした話題性のあるコレクションの展開や、ファストファッションの中でも存在感がある JOE FRESHの出店でだいぶ以前よりもフロア全体が明るく映りました。

　そしてJCペニーのフロア内には無料Wi-Fiの告知が見られました。 実際iPhoneを使い試してみましたが、接続も安定。地下フロアに売り場があるだけに、こうしたサービスがあるとゆっくり買い物も楽しめます。

　Manhattan Mall のJCペニーではアパレルが中心に展開されている為に店舗では確認することが出来なかったが、ホーム／インテリア関連でもイギリスの家具やインテリアデザイナーとしても知られるサー・テレンス・コンランの「Design by CONRAN（デザイン・バイ・コンラン）」や、個性的な陶芸やモダンなインテリアデザイナーとして知られるジョナサン・アドラーがJCペニーの為にデザインした「Happy Chic by Jonathan Adler（ハッピー・シック・バイ・ジョナサン・アドラー）」、アメリカの建築家のマイケル・グレイヴスがデザインするキッチンや調理器具の「Michael Graves Design（マイケル・グレイヴス・デザイン）」などBloomingdale’s（ブルーミングデールズ）で展開されてもおかしくないオシャレな商品も実はJCペニー で購入することが出来るのだ。買ってみたいと思う商品もなかなか在る。

　JCペニーなんてと思わず公式サイト（http://www.jcpenney.com/）、そして機会があれば是非リテールとして変化をしようとしている最中の店舗へも訪れてみて頂ければと思います。