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2018.03.09

第8回目のゲストはMUVEILデザイナー中山路子氏 「ジュルナルクボッチのファッショントークサロン」

 USEN(東京、田村公正社長)が運営する音楽情報アプリSMART USENで配信中の「ジュルナルクボッチのファッショントークサロン」。ウェブメディア「ジュルナルクボッチ」の編集長兼杉野服飾大学特任准教授の久保雅裕氏が、ファッション業界で活躍するゲストを招き、普段はなかなか聞けない生の声をリスナーに届けるが、アパレルウェブでは、その模様をレポートとして一部紹介していく。第8目のゲストは「MUVEIL」デザイナー 中山路子氏。

<前略・導入部>

石田紗英子:なんかもう、佇まいがすごくおっとりされてて、路子様とお呼びした方が良いような感じですけれども。

 

中山路子:そうですね、話すのが遅いだけで。

 

石田:いやいやいやいや。

 

久保雅裕:でも、針は速いぞ、みたいな。

 

中山:針は速いはずです。(笑)

 

石田:お仕事は速いと。

 

中山:さあ?

 

石田:さあそれでは、さっそく伺ってまいりましょう。路子様、生まれたときからこの雰囲気ですか?

 

中山:いや、まさかね。自分ではわからないですけど。

 

石田:ええ、はい。どんなお子さんでした?

 

中山:子ども時代は、今と全く真逆で、女性らしいものが全く好きではなく、遊ぶものといったら、姉はお人形やそういう遊びは好きだったんですけど、私は男の子たちと一緒にミニカーやプラモデル、全く今とは違う趣味嗜好で遊んでました。

 

石田:えー、意外ですね。

 

久保:男の子と一緒に遊ぶことが多かった?

 

中山:そうですね。車遊びしてくれる子と、となると男の子が多かったですね。

 

久保:じゃあ、おねだりするのもミニカーとか?プラモデルをおねだりする?

 

中山:そうですね、可愛らしいものがすごく嫌いで、ピンクとか赤とかも嫌いだったので、色鉛筆で減っているものとなると、水色とか青とか、明るい色といっても黄色が主体で。

 

久保:それは、幼稚園とか小学生低学年の頃そんな感じ?

 

中山:そうですね。小さい頃はそうでしたね。

 

久保:今の服からちょっと想像できないですね。

 

中山:いやそうですよね。どうしたんでしょうね。

 

久保:まあ、恐竜シリーズの時はなんとなく、そうかなみたいなところがあるけど。

 

石田:私は娘がいるんですけど、やっぱり女の子っていうと、そういうピンクだったり、お人形だったり、だいたい好きじゃないですか。でも、そんな中で全然趣味嗜好が違ったっていうのは、幼いながらの路子さんでも気づいてらっしゃいました?私は、みんなとなんか趣味が違うなとか。

 

中山:いや、本人は思っていなかったと思うんですけど、女の子だからこれ好きでしょって与えられるものが好きじゃなかった。

 

<中略・引き続き子供時代の話>

 

中山:ファッションについて、そんなに興味がなく、制服で過ごして、制服、ジャージで、オッケーだったんで、何にも興味を持っていなかったんですけど、高校3年生くらいの時から、お洋服屋さんにお友達と行くようになって、その時に、「あ、こんなに楽しい世界があるんだ」というか、

 

久保:目覚めたわけですね。

 

中山:お洋服を着ることによって違う次元に行けるくらい私には衝撃的で。18年間何も興味を持ってこなかったので。そこから、こんなに魅力っていうか魔力を持っているものがこんなに身近にあって、それってどういうことかしら?どういう世界なんだろうっていうところで初めてお洋服の魅力に気づき、お洋服の学校を探して通いに行ったりとか。後は、ブティックだったりとか、ハイメゾンのところに行って、見ることによって、より深みに

ハマっていくことになりました。

 

久保:それは、友達に連れられて、「仕方なく行った」みたいな感じだったんですか、最初は。

 

中山:そうですね。予備校に行くときに、予備校に行く道すがら、通って行き、友達に付いて行って、付き合って行ったら、こういう世界あるのねって。

 

石田:扉が開いた瞬間に、引き込まれて、どんどんと?

 

中山:そうですね。勉強するようになりました。

 

久保:そういう世界があるんだ!って気が付いたときに本当にもう一気に開眼する感じ?目から鱗じゃないですけど。

 

中山:そうでしたね、毎日見るもの見るものが、もうキラキラ輝いていて、吸い込まれるように毎日を過ごしてました。

 

久保:ブティックに行って、ファッションってこんなに面白いんだ、魔力あるんだって思った瞬間から、例えばそれこそ雑誌を、当時は、まだネットもそんなに無いから、雑誌を買ったりし始めるわけですか?

 

中山:そうですね。VOGUE PARISを買ったりとか。

 

久保:おー、いきなり行きましたね、それ。

 

石田:そうですね。(笑)

 

中山:いきなり行きましたね。やっぱり、カタログではなく、お洋服を売るためではなくて、世界をしっかりと見せて、その社会の背景も含め、訴えかける一枚の写真の威力は惹かれるものがあり。

 

久保:ちょっとアートっぽい感じで見てる部分もあるんですね?

 

中山:そうですね。

<中略、この後モスライト時代の話、ギャラリーミュベールの話、ミュベールの意味について、そして京都精華大学での授業の話へ>

 

中山:大学の授業をさせてもらっているときに、ほとんど1対2になっている授業よりも、1対1の相談しながら、一つの物を作っていくようなスタイルで、授業を運んでいたんですが、やはり、よく見られたいとか、普通でいたいとか、あまり出たくない、目立ちたくないっていう考えの子たちもたくさんいる中で、必ず全員が何かしらの癖を持っていて、その癖こそが、面白いものだし、そこは他人が持っていないところだから、そこを出そうよっていうことをよく話していました。あなたが思っている以上にそれはそれは素晴らしいものだと思う。

 

久保:この、褒めて伸ばす教育みたいな。ねぇ。僕ダメなんですよ。でも、言われた方は、自分の短所だと思ってたことを、いやいやそこを伸ばそうよって言われてるわけでしょ?

 

中山:うーんでも、関わるのは大学3生という1年間を三回繰り返して、授業をしていたんですけど、1年間だけではきっと分かり切れないと思うので、なにかしら頭の中に引っ掛かってくれて、そこが気になるようになってくれたらいいなと思います。

 

久保:他人に無いものっていうのは、実はそういう欠点だったりするって話はよく聞きますね。前にコンプレックスの話があったけど、実はコンプレックスって、ものすごいその人にとってのパワーになるものだったりする可能性があるっていうね。だから、すごく良い育て方してるいんだなって。僕は反省しましたけどね、自分の教え方がね。

 

中山:完璧な人よりも、何か癖のある人の方が面白いし、香水も良い香りだけじゃなくて、ちょっとね、キツイ香りも入れて良い香りを引き立たせるようなこともあるし。

 

<中略・グランマ、恐竜の話、そして業界の売れる、売れないの話へ>

 

中山:売れる、売れないはとても大事なことだし、作る上でも一枚でも枚数がある方が職人さんや、工場さんも嬉しいからそれに越したことはないんですが、全て売れる、売れないという言葉を見出しに付ける会話は嫌いです。

 

一同:(笑)

 

久保:なるほど。

 

中山:なんか、そういう事を枕詞において話すと、楽しい話とか、楽しい売り場ってことが消えてってしまう気がして、まずそれを言うことを止めたいなと、見てたり聞いたりして思います。それは根底にあったとして。

 

久保:まあ売れるとか売れないは結果ですもんね。やってきたことのね。だから、やってきたことが、本当に消費者にとって、プラスの事をやってきましたかと。あるいは業界、作り手の人たちに対しても、にプラスになることをやってきましたか。っていうことの結果ですよね。だから、まさに仰る通り、所詮結果に過ぎない、だから今多分ダメなのは、そこが、きちっとしてないからなのかなって思うことはありますよね。いい物を作ってい行こうとか、いい物を提供していこうとか、これは誰が喜んでくれるのかとか。そういうことを根本的に考えて仕事してますかっていう問い掛けをすることが、大切かなっていう気はしますよね。耳が痛い人はたくさん居ると思うけど。

 

石田:ほんとにピュアでいらっしゃるんですね。

 

久保:ピュア。そうですね。

 

石田:ピュアを体現した方ですね。いえいえって首振っていますけどね~。

 

<後略・最後にこれからファッション業界目指す方へのメッセージへと続きます>

 

詳細は、SMART USENで。

 

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