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2020.08.28

世界中の100万店舗以上のストアで利用されているECプラットフォーム「Shopify(ショッピファイ)」の魅力とは

Written by AIR編集部

unsplash.comより

世界最大のECプラットフォーム

 Shopifyは世界175ヶ国、100万店舗以上のストアで利用されている世界最大級のECプラットフォームです。グローバルでの流通総額は10兆円を超え、巨大な経済圏としても知られています。ファッションECを始め、最近ではフードデリバリーまで、様々な業態でShopifyが導入されています。同社は2018年に日本進出を果たし、サービス展開を開始しました。日本では、「COHINA(コヒナ)」などD2CブランドもShopifyを利用しています。同社の創業背景とECプラットフォームの特徴をいくつか紹介します。

創業のきっかけは既存の市販ECカートシステムへの物足りなさ

 現CEOのTobias Lütke(トバイアス・ルーク)氏、共同創業者のDaniel Weinand(ダニエル・ウェイナンド)氏、Scott Lake(スコット・レイク)氏は元より、スノーボード愛好家の友人同士でした。2004年当時、3人はスノーボード用品を販売するECサイトを開設するため市販のECカートシステムを探していましたが、3人の理想を叶えるECカートシステムはなかなか見つかりませんでした。そこで、プログラマーであったルーク氏が自らカートシステムの開発に携わったことがきっかけでShopifyは誕生しました。そして、ルーク氏が開発したECカートシステムを利用したECサイトの開設に成功し、その後、システムの改善を積み重ね、2006年に「Shopify」を正式にロンーチしています。

カナダ最大の企業にまで成長

Shopifyの株価推移(2015年~2020年8月月25日)
marketwatch.comより)

 

 2020年5月上旬、上場して5年目を迎えたShopifyは、カナダ最大の銀行であるRoyal Bank of Canadaの時価総額を超え、カナダ最大の上場企業となりました。2006年の正式ロンーチから、わずか14年でここまでの急成長を遂げています。成功の要因はいくつか挙げられますが、中でも、機能の利便性、手頃な価格設定にくわえて、特に、ECが普及し始めた2005年頃、Shopifyはいち早く個人事業主、中小・零細企業といった小規模の小売ビジネスのEC利用にビジネスチャンスを見出し、事業主に向け事業展開を進めたことがのちの急成長へと繋がっています。そして、2014年には、「Shopify Plus」という大企業向けのビジネスプランも発表しています。

お手頃価格で充実した機能が利用できる

Shopifyの公式サイトより

 2006年のロンーチ当初、Shopifyはカートシステムがメインの機能でしたが、それから様々な新機能とサービスが開発・追加され、現在では在庫、売上管理、カートシステム、POSシステム、決済、マーケティング支援、そして物流など、小売の川上から川下まで一括支援ができるワンストッププラットフォームとなっています。また、前述したように、中小企業向けの「Shopify」と大企業向けの「Shopify Plus」の2つのビジネスプランが用意されているため、あらゆる企業の規模とニーズに柔軟に対応できます。

「Shopify アプリストア」の公式ページより

 Shopifyでは、充実した機能が手頃な価格で利用でき、様々な外部サービスと簡単に連携できることが他社サービスとの差別化となる魅力の一つです。例えば個人事業主など小規模ビジネス向けの「Shopifyベーシック」というビジネスプランでは、月額29ドル(約3,000円)で、カゴ落ち対策メール、FacebookやInstagramと連携できる「販売チャネル追加機能」も標準機能として備わっています。このような充実した標準機能に加えて、外部サービスとの連携では、Amazon、Google Shoppingなど外部のECモールと連携ができ、日本では、2020年4月に楽天株式会社と提携を開始しています。この提携により、楽天市場における商品登録や在庫・受注管理といった運営業務もすべて、Shopifyの管理画面から簡単にできるようになりました。さらに、Shopifyは、同システムと連携したECサイトで利用できるサードパーティーのアプリを取り扱う「Shopifyアプリストア」を設けており、連携先のECサイトでカスタマイズ利用できる様々なアプリを販売しています。

単なるECカートシステムではなく、小売全体をサポートできるプラットフォーム

「Shopify Fulfillment Network」の公式サイトより

 これまでShopifyのECにおける機能を中心に説明しましたが、Shopifyではリアル店舗向けのアプリである「Shopify POS」もサービスとして提供しています。Shopify POSは、Shopifyを導入したECサイトと連携したPOSシステムです。POS上で商品を売り上げると、売れた商品のEC在庫はサイトから自動的にマイナスされ、同時に売上金額は自動的にプラスされる役割を果たします。さらに、この「Shopify POS」はiOSとAndroidのデバイスに対応しており、店頭スタッフは、iPadなどがあれば即座にECと店舗の在庫状況を確認することができます。 

 

 ECサイトと店舗向けの機能だけでなく、近年Shopifyでは、物流関連のフルフィルメントサービスにも注力しています。2019年同社は「Shopify Fulfillment Network」というフルフィルメントサービスをロンーチしました。これは、Shopifyがサードパーティーのパートナー企業と提携することで、倉庫スペースの提供、倉庫の管理、また商品の梱包、出荷、配送などを一括提供するサービスです。これにより、Shopifyを利用する企業は、Shopifyの管理画面の操作のみで、ECと店舗の在庫および売上、物流関連にいたるまでを簡単に一括管理できるようになりました。このようにトータルプラットフォームとして機能することが、Shopifyの最大の魅力といえます。     

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