PICK UP
2016.01.13
米国の福袋感覚!定期購入モデル成功のポイント
昨年退会方法などでクレームが続きつつも高い人気を誇るのが、女優ケイト・ハドソンが手がけるスポーツウェアコンセプトの定期購入サイト「ファブレティックス」
ここ5年くらいの間にトレンドとなり、なんと600種類以上ものサービスが登場したサブスクリプション・サービス(定期購入サービス)。しかし、全てのサービスが評判が良く成功しているかと言うとそうでもなく、一旦会員になると退会法が複雑であったり、スキップしたい月にも課金されたりと、昨年は利用者のクレームや問題点が浮き彫りにされた年でした。ある意味飽和状態に達しているのではと思えるサブスクリプション・コマース市場ですが、アドビ社がパッケージ販売していた製品をクラウド上でバラ売りのサブスクリプション購入にしたり、アマゾンプライムの充実など、まだまだ進化を遂げアイディアを焼き直して登場しそうです。そんな中から、成功例をピックアップしてみました。
オムニチャンネル戦略を踏まえたセフォラの「Play! By Sephora」
セフォラが競合「Birchbox」に対抗して最近ローンチした定期購読サービス「Play! By Sephora」(プレイ・バイ・セフォラ)は、商品に加え、ショップでアドバイスを受けることができる「Play Pass」サービスも備えた、店頭に促すための非常にスマートなアイディアです。それだけでなく「招待制」のプログラムにより、追加で購入したい顧客のためのエクスクルーシブな場を提供することで、消費者と密着したコミュニケーションが実現しました。
ミレニアル世代男性がターゲットの「Frank & Oak(フランク&オーク)」
2012年のスタート以来、20~35歳のアクティブユーザーは約150万人になります。毎月始めにPBの新コレクションが登場し、同じデザインの物は無く数量限定商品は、この世代にとって大きな魅力となっています。スマホアプリの追加で25万ダウンロード、新たなコネクションが生まれており年商は不明ですが、2013年に70万着を販売しているそうです。女性サイト同様、メンバーになる際にはサイズや好みに関するアンケートを受け、パーソナルスタイリストのアドバイスを受けることも可能です。客層の70%が米国からアクセスしています。実店舗は米国の3店を入れて11店舗。
品質に対する絶対的な信頼「Honest Company(オネスト・カンパニー)」
ジェシカ・アルバがスタートした、安全で安心を考慮したベビー用品を販売する「Honest Company(オネスト・カンパニー)」。2014年は年商1億5,000万ドル(約182億円)で、企業価値は1,000億円とも言われています。“オネスト”とは、“正直な”“偽りのない”という意味で、自身が出産後、環境にも身体にも優しいエコでオーガニックな環境で育てたい企業として立ち上げました。製品において信頼がおけるというのは、消費者にとっての最大のポイントになります。
究極の必需品「Dollar Shave Club(ダラーシェーブクラブ)」
1ドルからでも定期購入が可能な、ひげ剃り用の刃を販売する会社です。2014年の年商は前年の3倍の6,000万ドル(約56億円)になります。これに続き最近、大手GILLETTE(ジレット)も定期購読サービス「Gillet Shave Club」をスタートしました。送料無料で、スポーツイベントチケットのリワードプログラムも魅力です。その他、類似ブランドが続々と登場しているが、その先駆けとなったサービスです。
定期購入の専門サイトも登場
定期購入ボックスの商品紹介やレビューを行っている「My Subscription Addiction」は、カテゴリー別に定期購入商品を閲覧でき、レビューや交換などのサービスも行うコミュニティーサイトです。クリスマス商戦時期には、なんと1500種類のボックスがこのサイトでリストされたそうです。レディース、メンズ、ビューティ、フード、ママ、ベビー、キッズ、ドリンク、フィットネス、エコ、クラフトなど、その種類の多さに驚きますが、ベジタリアンの友人が注文すれば、それに適したギフトボックスが容易に見つかり、本好きの友人にもそれに適したギフトセットがあります。最も定期購入者の多い順に並べると、ビューティプロダクトが圧倒的に多く、ウォルマートやターゲットなどの大型ディスカウントストアも月額5~7ドルという低価格で行っています。レディースの衣類に絞り込むと、上位10社中5社がヨガウェアなどのアスレチックウェアとなっているのも、今のトレンドを象徴している様です。
定期購入サイトが人気の理由
こういったサービスが人気の理由は、自分へのご褒美と行った感覚が強く、時には友人へのギフトにもなりますが、ほんの少し贅沢な気分になることで豊かさを感じることができます。そして、ユーチューバーでも見られる“UNBOX VIDEO”やインスタグラムも、ワクワク感をプラスしている要因と言えます。リボンをほどき、ラッピングペーパーを開ける時のワクワク感、利便性だけでなくショッピングの楽しみ方がそんな風に変化しているのかもしれません。ファションのメディアサイト「POPSUGAR(ポップシュガー)」でも、ホリデーシーズンには39.95ドル(約4,700円)で100ドル(約11,000円)のバリューの「PopSugar MustHave Boxes」を販売、クリスマス商戦では100ドルで「ニーマン・マーカス」をテーマにした250ドルの価値のあるボックスを販売しました。ある意味、アメリカ版の福袋といった感覚でしょうか。
マックスリー・コーポレーション
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