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2012.02.07
言葉ではなく写真と感性で伝えるSNS『Pinterest』に関心が集まる理由
「今までの中で一番ソーシャルでないSNS」
多くの人がこう口にする、今話題のキュレーション系SNS『Pinterest(ピンタレスト)』。
「ソーシャルでないSNS」という言葉の通り、まさに、“言葉すらいらない”ともいえる新しい形で、SNS界に新風を吹き込もうとしています。Tech Crunch によると、昨年末時点で前の6ヶ月間から40倍ものトラフィック(アクセス数)を生んでいるそうです。なぜ、今これほどまでにPinterestが賑わいをもたらしているのでしょうか?
画像:Tech Crunchより
ソーシャル・ショッピング掲示板のPinterestの成長は
驚異的―6ヶ月でトラフィックが40倍に
Pinterestとは、一言で言うならば、ヴィジュアル(画像)に特化したSNSです。
自分が撮影したり、ウェブ上で見つけてきたりした、お気に入りの写真をボードと呼ばれる画面にpin(貼り付け)していくことで、ボード内に自分の世界観を表した写真がスクラップされていきます。 また、他のユーザーの写真で気に入ったものがあれば、likeをつけたり、repin(自分のボードに貼り付け)することも可能なので、文字ではなく写真を通して世界中の人々とコミュニケーションをとることができるのです。
一度、Pinterestの画面を開けば、スクラップされた写真が目に飛び込んできます。
画面をスクロールさせながら写真を眺める。従来のSNSでは必須だった“書く”と作業はほとんどなく、“見る”ということのみで楽しめるサービス。 これがPinterest最大の魅力であり、同時に、多くの人がPinterestに魅了される理由はここにあったのです。
ボード上に貼られる写真はさまざまですが、ブランドの新作アイテムやお手本にしたいコーディネート、ネイルアートやショップのポスターなどを見かけることが多い気がします。というのも、Pinterestは男性に比べ、圧倒的に女性利用者が多いという特徴があり、なおかつ、好きなだけ写真を眺めていられるということは、ファッション雑誌を読む感覚と似ています。 実際、私もさまざまな知人にPinterestの話をしてきましたが、圧倒的に男性より女性の方が関心を示していました。
参考)なぜ女性はPinterestに心を奪われるのか? ChristianityTodayより(英語サイト)
http://blog.christianitytoday.com/women/2011/11/women_are_visual_too_1.html
そのため、海外では早くも、女性をターゲットにしている企業から注目を浴びています。
ノードストロームのPinterest http://pinterest.com/nordstrom/
大手チェーンデパートのノードストロームでは、自社が販売している商品の写真をPinterest上で公開し、そのまま自社サイトへとび、商品を購入することができるというサービスを始めました。 ニュース雑誌、タイムマガジンでは、コラムニストのプロフィールを写真付きで紹介したり、雑誌のカバーを公開したりして、Pinterestを利用した広報活動を盛んに行っています。
言葉ではうまく伝わらなかったり、違うとらえ方をされてしまったりすることが多い中、ありのままの自分の感性が伝わる写真という方法を使ったサービスは、人と人とがネット上でコミュニケ-ションをとる中で、今後、必然的に必要なものとなってくるでしょう。
また、国内のアパレル企業がPinterestを取り入れ、どのようなサービス展開をしていくのかという点でも、ますます注目していきたいと思います。
R I N A 90年代の米国がネットバブルだった頃に米国にて日本向けのファッションポータル事業にコンサルタントとして関わる。
以降、「ファッション」と「インターネット」上で行われるビジネスを中心とした事業に15年ほど携わり、Web製作やディレクション、ビジネスのコンサルタントを行う。現在は米国のファッション事情やトレンド、ファッションとIT関連を中心とした執筆、今までの経験と知識を活かしビジネスサポートも行っている。
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