2024年3月11日から3月16日まで2024年秋冬シーズンの「楽天 ファッション ウィーク東京（Rakuten Fashion Week TOKYO以下、Rakuten FWT）」が開催される。参加ブランドは国内外合わせて43ブランドを予定している。

 今シーズン、Rakuten FWTのタイトルスポンサーを務める楽天による日本のファッションシーンをエンパワーメントするプロジェクト「by R（バイアール）」では、独創的なプリントと色づかいによって世界的に広く知られるフィンランドの老舗デザインハウス「マリメッコ（Marimekko）」のランウェイショーを開催する。

　また今シーズンはオフスケジュールのショーが増加。同ファッションウィーク前日には「ティート トウキョウ（tiit tokyo）」が、ショーの最終日には「ヒスイ ヒロコ イトウ（HISUI HIROKO ITO）」、終了直後には「ケイスケヨシダ（KEISUKEYOSHIDA）や「ピリングス（pillings）」もランウェイを行う。
 

エムエーエスユー（M A S U）

　 Rakuten FWT会期前日の3月10日（日）には、Rakuten FWTオープニングパーティーとして、「FASHION PRIZE OF TOKYO 2024」受賞ブランド「エムエーエスユー（M A S U）」による凱旋イベントが「渋谷ヒカリエ」で行われた。

　1月にパリのアートスペース「ル・コンシュラ」で行われたランウェイショーの映像と、美しい雨のパリを掛け合わせた映像を公開した「エムエーエスユー」。会場は開放感のある映画館のようになっており、ベンチにコレクションルックをまとったマネキンが座っている。そのマネキンと並ぶように観客はベンチに座り映像を鑑賞した。このインスタレーションについてデザイナーの後藤愼平氏は、「パリと同じランウェイではなく東京では別の見せ方をしたかった。ただ、“フィジカル”であることは大切にしたかったので、あえて映像を現地で多くの人と一緒に鑑賞するというスタイルにした」と語った。

　今シーズンのテーマは雨。様々な素材やディテールで表現。スタッズやチェーン、スパンコールなど素材が持つ煌めきを用いたり、スウェットに水滴のような形のカッティングを施したり、ダークトーンの中にも光を反射する雨粒のような儚げな美しさを表現した。また、ケーキの箱を解体して型紙にしたという硬いなめし革を使ったバッグが話題を呼んでいる。

ティート トウキョウ（tiit tokyo）

　3月10日（日）には「ティート トウキョウ（tiit tokyo）」がランウェイショーを開催した。映画「ブラックスワン」にインスピレーションを得た今シーズンのテーマは「Mirror lake」。ブランドとしては珍しくダークな世界観を描いたコレクション。ブランドらしいヌードベージュを基調としたカラーパレットに無彩色のグレーやブラックを差すことで、葛藤や重圧など、強い感情に追い詰められた心理的な危うさを表現し、そしてそこから見出す人間の美しさも描き出した。

　また、シルエットにも感情の強さは表れている。ジャケットは立体的なショルダーでボックスシルエットを描き、マスキュリンな印象に。ラストルック２体で登場したボリューム感のあるファーコートでは感情があふれ出す様子を感じさせた。今シーズン、バッグは「ラミダス（RAMIDUS）」と初のコラボレーションでボンサック型のバッグとポーチの２型を制作した。

　ショー終了後、デザイナーの岩田翔氏はコレクションについて、「ここ数シーズンは人間味や感情がほとばしるようなコレクションにしたいと思ってきた。デジタルだらけの世の中だからこそ、人間味を出したいと思った。“おしゃれ”や“かわいい”よりも感情を優先した」と語った。

 
 
取材・文：アパレルウェブ編集部

>>>「2024秋冬・東京」のコレクションを見る