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2016.06.22

ショーウィンドウからサイネージまで 父の日に見るブルーミングデールズの販売戦略

 このところ個人的に注目しているブルーミングデールズのショーウィンドウ。ニューヨークのショーウィンドウと言うと、バーグドルフグッドマンを先ず思い浮かべる方がほとんどだと思いますが、祝日のショーウィンドウ作りは、ブルーミングデールズがいつもユニークなものを見せてくれます。59丁目にあるブルーミングデールズのフラッグシップストアでは、父の日を祝って、3Dの立体的なウィンドウが登場しました。

スポーツ系やテック系も お父さんをスタイル分析

 レキシントンアヴェニュー沿いのウィンドウには、3Dのグラフィックをバックグラウンドに、“スポーティーなお父さん”“斬新なお父さん”“テック系なお父さん”などをテーマに立体的なウィンドウ作りを行っています。

 一つひとつのウィンドウには3Dグラスを用意。自由に取って利用できる3Dグラスで、いつもと違った形でウィンドウを楽しめる工夫を凝らしています。

行き交う人々の視線集中 通路を使ったVMD

メンズフロアに設営された父の日のギフト売り場

 もちろんブランドごとのブースでも父の日ギフトのプッシュを行っていますが、米国の百貨店は通路がけっこう広いので、父の日のようなギフト系の時期や、取り扱いブランドでフィーチャーしたいものがある時などは、こうしてお客さまが行き交う通路に小さな売り場を設営することで、お客さまの足を止める工夫をしています。

 父の日の特設売り場で特に気になったのが、「ハイテク好きのお父さん」へのプレゼントとしてセレクトされていたドローン。ドローンをプレゼントに!なんて時代は本当に変わったものです。ちなみにこちらの「ガリレオHDビデオドローン」はブルーミングデールズのエクスクルーシブ商品で、3万弱で購入することが出来ます。

 ブルーミングデールズで最近少し変わったことと言えば、各フロアにデジタルサイネージが設置されました。

 

 ブルーミングデールズには、館内入り口やエスカレーター付近に案内係のストアスタッフが居るので普段から便利さを感じていましたが、それとは別に、各フロアの2箇所、エスカレーター付近と売り場に、こうしたデジタルサイネージが設置されています。スマートフォン、タブレット時代に入り、もはやなんでもタッチパネルで簡単に操作できることが普通となった今、こうしたテクノロジーの取り入れはピンポイントだと感じます。

 

 実際にデジタルサイネージに慣れてしまうと、これまで普通に看板に書かれたフロア案内や印刷されたもので行き先を探すことに不便ささえ感じるようになりつつあるのは、きっと私だけではないでしょう。


 

RINA  

R I N A

90年代の米国がネットバブルだった頃に米国にて日本向けのファッションポータル事業にコンサルタントとして関わる。

 

以降、「ファッション」と「インターネット」上で行われるビジネスを中心とした事業に15年ほど携わり、Web製作やディレクション、ビジネスのコンサルタントを行う。現在は米国のファッション事情やトレンド、ファッションとIT関連を中心とした執筆、今までの経験と知識を活かしビジネスサポートも行っている。

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