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2019.05.08

9割以上がリアル店舗へ デジタルネイティブなZ世代のショッピング

 米国では今年に入り、6,100以上の店舗閉鎖が伝えられており、最終的に約9,000店舗もの閉店が予測されています。現在の米国モールの空室率は9.3%と上昇しており、大量閉鎖の波はまだまだ続きそうです。その原因の1つに、ミレニアル世代(22~37歳)のモール離れが挙げられますが、その下のZ世代(11~21歳)は、意外にもモールをはじめとする実店舗へ足を運んでいることがわかっています。

 

 飲食やパーソナルケア商品、新たなアトラクションを提供する小売り店の努力もあり、インターナショナル・ショッピングセンター議会の2018年の調査では、モールや実店舗に行っているZ世代は95%。これは、ミレニアル世代の75%、ジェネレーションXの58%と比べても高い数値であることがわかります。440億ドルもの購買力が期待され、ミレニアルとも異なる消費行動が注目されています。デジタルネイティブと呼ばれるこの世代は、モールで気に入った商品を見つけて購入するといったシンプルなショッピングではなく、ユーチューブでHAUL動画を閲覧したり、お気に入りのインスタ・インフルエンサーからインスピレーションを得る。あるいはスマホでクーポンやプロモーションをサーチするなど、デジタル機器を自然に使いこなして様々な視点からショッピングを行っています。

 

 デジタルネイテイブでありながら、その一方で、店頭で直接商品を見てみたいという心理があるようです。カジュアルファッションチェーンの「フォーエバー21」では、同社の洋服を着用し、「#F21PROMO」というハッシュタグでインスタに投稿すると、21%オフのディスカウントが受けられるというプロモーションを行っているのですが、ユーザーのほとんどが10代女性。すでに2万回利用されているそうです。そんなZ世代に人気のソーシャルショッピングアプリ「ドート(DOTE)」が急成長しています。

Z世代のドリームモール ソーシャルショッピング「DOTE(ドート)」のライブ配信「ショッピングパーティー」とは?

 「ドート(DOTE)」は2014年にサンフランシスコでスタートしたソーシャル・ショッピングアプリです。「メイドウェル」や「ブランディメルヴィル」「ザラ」「アーバンアウトフィッターズ」「UGG」など140を超えるブランドの商品をまとめて閲覧することができ、お気に入りブランドのセールやトレンド情報をゲットできる合理さが特徴の1つです。

 

 その「ドート」が4月にローンチした「ショッピングパーティー」は、“ドート・クリエーター”と呼ばれる、SNSでフォロワー数の多いインフルエンサーがショッピングする様子を配信するもので、フォロワーとリアルタイムでチャット交流できることで人気を集めています。パイロットプログラムとして、2週間の間に400を超えるパーティーが開催されましたが、「アーバンアウトフィッターズ」をはじめとする人気ブランドがスポンサーとして参加しました。このプログラムでは、インフルエンサーがそうしたスポンサーの商品のみを取り上げ、フォロワーとチャットで交流するため、リアルタイムでのフィードバックを得ることができました。ユーザーの中心は13~22歳。1日平均4回アプリをチェックし、75の商品を閲覧しているといいます。

 

 インフルエンサーの中には500万人以上のフォロワーがいるカラニ・ヒライカー(KALANI HILLIKER)や、ニア・スー(NIA SIOUX)などが含まれています。その他のユーザーとの繋がりも含めたコミュニティーが生まれ、そこに、Z世代の生活必需品であるスマホとSNS、そしてショッピングを組み合わせることによる新しい体験が魅力となっているようです。

■「ドート(DOTE)」アプリ
 https://www.doteshopping.com


 

 

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