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2018.10.25

消費増税で景気「悪くなる」とした企業57.8% 東京商工リサーチ調査


消費税増税実施に関するアンケート結果。(画像: 東京商工リサーチの発表資料より)

 

 東京商工リサーチは24日、全国の企業8,298社を対象にした「消費増税に関するアンケート」の調査結果を発表した。その結果、「延期・中止すべき」が49.5%、増税で景気が「悪くなる」と回答した企業が57.8%と、景気への影響を懸念する声が過半数を超えたとしている。

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 増税の時期に関する質問では、「予定通り実施すべき」が構成比47.0%(3,903社)、「時期を延期して実施すべき」は同21.3%(1,768社)、「増税を中止すべき」は同28.2%(2,337社)という結果になった。「延期して実施」と「中止」を合算すると49.5%になり、「実施すべき」という回答を上回る結果になったとしている。

 景気に関する質問では、4,798社の57.8%が「景気は悪くなる」と回答。「景気は現状維持」は37.2%の3,089社、「景気は良くなる」は1.7%の138社。中小企業ほど悲観的な声が聞かれたという。

 消費税増税に備えた準備については「準備していない」が6割を占め、「準備している」は3割弱にとどまった。特に中小企業では準備への資金負担が大きく、人手不足の影響から積極的に取り組む環境にないという。

 具体的な準備内容について「準備している」と回答したうち最も多かったのは「会計・経理システム変更の見直し」が75.3%、「既存の商品・サービスの内容見直し」が22.9%、「新たな取引先の開拓」が12.3%と続いている。

 軽減税率の影響については、「影響はない」が最多の55.9%。「マイナスの影響がある」は17.4%、「プラスの影響がある」は4.2%だった。「マイナスの影響がある」と回答した業種では小売業の比率が高く、駆け込み需要の反動や内食・外食の複雑さなど多くの課題に不安を抱えているという。

 またマイナスの影響について農林・漁・鉱業でも「外食食品の需要減」が3割を超えるなど、軽減税率の対象となる飲料食品に関わる分野全体において懸念の声が挙がっている。

 一方でプラスの影響については情報通信業が「受発注システムの刷新」など、システム関連を中心に特需を前向きに見る声もあるとしている。

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