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2017.12.15

18年企業の景気見通し上向き、回復見込む企業4年ぶり増加 懸念は人手不足

 帝国データバンクは14日、17年の景気動向および18年の景気見通しに対する企業の意識調査結果を発表した。

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■17年回復局面、2割台に回復

 17年の景気動向については「回復」局面であったと回答した企業が21.2%、4年ぶりに2割台に回復。「踊り場」局面とした企業は49.0%と3年ぶりに5割を下回り、「悪化」局面とした企業は9.2%と4年ぶりに1ケタ台に減少した。

 「回復」局面とみている企業からは、「産業界全般の活気」や「輸出競争力の回復」、「為替動向や株式上昇」など、経済指標の改善や自社業績の景況感をあげる意見があがったとしている。一方で「悪化」局面とした企業からは、「人手不足による受注不可」や「地方における消費意欲減少」の声があがったという。総体的には景気上昇傾向が強まった1年と分析している。

■18年景気見通し、「回復」局面を見込む企業4年ぶりに20%台に増加

 18年の景気について「回復」局面を見込む企業は20.3%と4年ぶりに増加。「踊り場」局面になるとした企業は40.4%、「悪化」局面を見込む企業は12.3%と減少したとしている。景気の先行きについても、上昇傾向を見通す企業が増加しているという。

 「回復」を見込む企業からは、「東京五輪に向けた内需拡大」や、「設備投資拡大による市場の活性化」を期待する声があがったという。「悪化」局面を見込む企業からは、「人手不足の深刻化」や「リアル店舗の衰退」などの懸念の声があがり、地域や業界により景況感にバラつきがあることが判明している。

■18年景気の懸念材料は「人手不足」と「地政学リスク」

 18年の景気に悪影響を及ぼす懸念材料は「人手不足」が47.9%とトップ。前年から19.5%の急上昇と労働市場における人員不足の深刻化が浮き彫りになったとしている。「地政学リスク」も19.1%と上昇。中東や東アジア情勢の緊迫化など、景気の先行きに対する海外の政治情勢を懸念する声があがっているという。

■必要な政策は「個人消費拡大」「所得増加」「個人向け減税」

 景気回復のための必要な政策は、「個人消費拡大策」が42.4%。続いて「所得の増加」が40.8%、「個人向け減税」が34.8%となっている。消費関連がトップ3となり、個人消費の活性化を求める声が高いことが判明している。

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