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2019.01.02

他人事ではない、忍び寄るAIによるリストラ まずは事務職から始まり、ロボット化で労働全般へ


画像はイメージです。

 

 分かっていることだが、AIの開発が進むにつれてリストラが始まった。「ホワイトカラーと呼ばれる職種から進んでいる」と思われているが、実際は、工場労働者はロボットの導入と共に職を失ってきている。トランプ大統領の支持基盤であったラストベルトの失業者発生のメカニズムでは、AIではないがロボットの導入と共に失業者が増えている。アメリカ市場への日本車の進出よりも、ロボットの影響が大きいと見られている。

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 一方で、事務職に関して言えば、コンピュータの導入と共に職場を失ってきているのが現実だ。経理・給与の事務などは、いまではそろばんを使っている姿はほとんど見かけない。伝票が発生する現場でデータを打ち込めば済んでしまう。決算書までいつでも作れるのが現在だ。この間の事務作業が激減している。しかし、高度成長時代には仕事そのものが急拡大していたので、目立たなかったのだ。AIの時代になると、職場で人間が担う割合が激減する。揺り戻しはあると思うが、少なくとも当初は大幅に人手が余ってくるだろう。

 銀行業務、役所などはその先端にいる。大手銀行は早くもリストラを宣言している。しかし不思議なのは、役所でリストラを聞かないことだ。JRなどの電車で自動運転が進められない不思議もあるのだが、役所も同様で大幅なリストラが出来るはずだ。

 少々、好奇心がわいてくるのは、「銀行融資の審査部門」がリストラを受けていることだ。客観的に考えると、データを打ち込むだけでAIが判断できるまでになっているのだろうか?すると、これまでも機械的に融資判断をしていたことになる。また、癒着などのデータは排除されているのだろうか?「AIに与えられたデータの内容がどのようなものであったのか?」で、融資の判断が狂ってくるかもしれない。それから、ベンチャー事業については判断できるのだろうか?さらに日本の銀行は、ベンチャー企業育成に不向きな判断を繰り返す気がする。日本経済の浮沈にかかわる判断であるので興味がわく。ファンドが盛んになる原因もありそうだ。

 株取引について、現在では、ほとんどAIによる自動取引になっている。その弊害が、パニックになったときに歯止めが利かないほどの下落になることだった。その後、AIは進歩したように感じるが、実態が分からない。人事においても、採用判断をAIで行っている企業も増えた。しかし、AIによる判断では、その理由を説明する義務が取り決められたようだ。一方で、AIによる判断を取りやめる企業も出ている。つまり、使い物にならないAIも多く出ているようで、AIに与えられるデータの内容を偏りなくすることが必要なのだ。これは、難しい判断であると次第に判明してくるだろう。(記事:kenzoogata・記事一覧を見る

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