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2018.11.22
【レンタルの新潮流③】 「サブスク」をアピール、中古のイメージ払拭を狙う
ネットレンタルを手がける企業の中には、自社サービスを表現する際に「サブスクリプション」という言葉にこだわるところもある。
サブスクリプションは英語で「定期購読」の意味で、サービスを一定期間提供して定額制で代金を徴収するビジネスモデル。前号でとりあげた家具レンタルのカマルクジャパンの「サブスクライフ」は、そもそも「家具とサブスクリプションを結び付けた」(町野健社長)ことで生まれたサービスだ。
さらに踏み込んで、テレビCMで「サブスク」をアピールする動きも出てきている。
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「アースミュージック&エコロジー」などのアパレルブランドを展開するストライプインターナショナルでは、専用アプリを通じて月額制のファッションレンタルサービス「メチャカリ」を展開。同社メチャカリ部の澤田昌紀部長によると「レンタルだと中古のイメージがあるため最近は"サブスクリプション"で打ち出している」と述べる。
「メチャカリ」の商品はすべて新品を提供する。店頭に並ぶのと同じタイミングで貸し出すため、その時のトレンドを反映したアイテムをラインアップできるのが売りだ。
10月にアイドルグループを起用して実施したテレビCMでは、新品を扱っているという強みを伝えることにフォーカスした。15秒のCM内で「新品の服、借りホーダイ!」「ファッションもサブスクへ。」と大々的に訴求したのだ。
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「メチャカリ」の開始は2015年9月。現在、他社ブランドも含め、約50ブランドを貸し出しており、アプリのダウンロード数は83万にのぼる。一度に貸し出す点数別に3つのプランを用意。3点借りることができる「ベーシック」(月額5800円)、4点の「スタンダード」(同7800)、5点の「プレミアム」(同9800円)をラインアップしている。
「メチャカリ」で獲得した有料会員のうち7割が同社の新規顧客。レンタルを接点に新たな層にリーチできていることになる。ただ、レンタルから自社通販サイト「ストライプクラブ」や店舗への流入は「ごく一部」(澤田氏)にとどまる。
レンタルとECの相乗効果は今後の課題と言える。それでも現状では2つのビジネスが顧客を奪い合っていない点を評価し「まずはメチャカリのユーザーを増やす」(同)という方針だ。
そこで実施しているのがテレビCM。「メチャカリ」のCMは今回で今回で3回目。1回目はサービスの開始時。2回目は1年前の秋冬物の立ち上がりの時期で、今回も同じタイミングで放映した。
その結果、7月末時点で8000人だった「メチャカリ」のアクティブの有料会員数は、1万2000人にまで拡大した。CM放映前から掲げていた、今期中(19年1月末まで)に有料会員1万人という目標も突破した。
中古ではなく新品をそろえているという強みを打ち出すために、「サブスク」というキーワードを使って仕掛けたイメージ戦略が奏功したとも言えるのかもしれない。(つづく)