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2023.08.03

女性の新規顧客開拓進む【WEB事業部責任者の林亮介氏に聞く AOKIのEC戦略の現状と今後㊥】 インスタライブが購入のフックに

 前号に引き続きスーツ専門店のAOKIでWEB事業部の責任者である林亮介氏に、現状の取り組みや今後の展望などについて聞いた。

 ――レディース商品が伸びている背景については。

 「全社的なキャンペーンとしては、(働く女性向けブランドの)『MeWORK(ミワク)』を継続的に行ったことがある。昨年は女優の上戸彩さんや今田美桜さんなどを起用したテレビCMを放映し、一定の認知を取ることができた。

 加えて、レディースはデジタル上でも細かく訴求している。例えばインスタグラムの投稿強化をはじめ、コーディネート投稿やブログ、スタッフ個人によるインスタといったコンテンツ配信など。インスタライブは昨年の10月から回数を増やしており、ユーチューブチャンネルでもレディースコンテンツを増やした。あとはウェブメディアとコラボした商品プロモーションも行っていて、今までリーチできなった層にアプローチしている。これらの取り組みで新規の女性顧客の比率が非常に高くなったことが好調の要因と考える」

 ――インスタライブの内容とは。

 「基本的には商品紹介ではあるが、リアルタイムの視聴よりは、アーカイブ配信の視聴をきっかけに購買までつながる流れが多い。1回見て、興味を持って見返して購入するという動きがある。アーカイブ配信は副次的な効果も強まる印象。インスタライブを通じて顧客とコミュニケーションを取れていることが非常に有意義に感じている。

 アーカイブについては専用のツールを導入して、インスタまとめのようなページをつくってそこに貼り付けたり、ECのトップページに動画が見られるレイヤーを設けたりして訴求している。

 現状、インスタのフォロワーは3万5000人程度で、昨年と比べて1割ほど増えている」

 ――動画で見せたことで反応が良かったというメリットはあるか。

 「アーカイブで視聴されたスーツとブラウスのコーディネートを丸ごと購入されたりするケースはある。ECでは単品もしくは、同一品種の商品をいくつかまとめて購入する傾向が多く、”コーデ買い”は少なかった。ところがインスタライブを行うことで、”コーデ買い”も増えてきたので、実店舗と混ざったような雰囲気を感じてもらえているのではないか。その時々で異なるが、配信するコーディネートは実店舗のスタッフや商品部の担当者などが行っており、今後はより実店舗スタッフが中心になると思う」

 ――男性向けについては。

 「やはり、インスタは女性が圧倒的に多くなる。男性にはパジャマスーツ®などの新しい商材に注力しながら、基本的にはユーチューブチャンネルとブログを強化している。新しい商品で機能性をメインに訴求を行っている。ユーチューブは男性にも女性にもうまくバランスがとれている媒体だと感じる」

 ――EC限定商品の「リカバリーケアプラス」がヒットした背景とは。

 「昨年の5、6月頃に数量を絞って発売した。トライアル商品で、実店舗で扱うと埋もれてしまったり、勧めるほどの数量を店内に置けないこともある。また、低価格帯の商品でもあるので実店頭の接客で勧めて売るというよりかはECで取り扱うことに向いていた」(つづく)

 

|下

 

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